ずいぶん昔の話だけど、思い出したので。
小学3年の正月だったと思う。
うちは父の郷里が長崎で、お盆と年末年始にはいつも家族で帰省してたんだ。
父と母、2歳上の姉と俺で、一人暮らしの祖母のところに。
で、その年も例年通り泊りがけで行ったんだよ。
夜になってそろそろ寝るかって時に、姉が「一人で寝る」って言い出してさ。
5年生になってから自室を貰っていたから、俺や両親と同じ部屋で寝るのが嫌な年頃になってたのかもな。
元々は祖父母と父、そして父の兄弟(父は3人兄弟の末っ子)が暮らしていた家だから部屋はある。
祖母もそんなら、と姉の布団を上げて移動させ始めた。
ただ、その移動先が今思えばちょっと不自然だった。
俺ら家族4人分の布団は、広間…って言えばいいのか?田舎の家によくある続き部屋になってる和室に敷いてあって個室に移動させるならその隣の仏間に敷くのが自然なんだが、祖母はわざわざ2階の父が昔使ってた部屋に布団を運んで敷いたんだ。
一瞬、姉と俺は「?」となったけど俺は眠かったし姉はとにかく一人で寝れるんで深く考えずに、そのまま皆眠りについた。
つづく