つづき
で、その日の夜。
俺も姉も祖母に言われたとおり、おとなしく昨晩と同じ場所で寝てたんだ。
けど、俺はやっぱり気になっててなかなか寝つきが悪かった。
どうしても仏間の方を気にしちゃうんだよ。またあの音がするんじゃないかと思って。
そしたら廊下側の障子がすーっ…と静かに開いたんで、思わず叫びそうになった。
そこには口に人差し指を当てて『しーっ』のポーズをする姉がいた。
こっちに出てこいと手招きする。俺は両親を起こさないよう忍び足で廊下に出た。
こんな夜中に何だ、まさか仏間を探りに行こうってんじゃないだろうな…と不安に思いながら尋ねると、何とトイレについて来てくれっていうじゃないか。
姉いわく、昼間は好奇心であんなこと言ったけど祖母の剣幕からこれはただごとではないと思い、怖くなってしまったとのこと(もちろんここまで素直に言ったわけじゃなく、俺に訊かれてしぶしぶって感じだった)。
ここんちのトイレは外ではなかったけど廊下の突き当たりにあって、広間と仏間の前を通らないと行けない間取りになってたからまぁわからんでもないけど。
俺も内心は不安だったけど、ちょっと期待していた部分もやっぱりあってついていくことにした。
つづく