「初恋は知っている 黒木編」
3、発病 アーヤside
「う、上杉君っ!?」
その瞬間、私は絶句した。
上杉君が…あまりにもヒサンな状態だったから。
腕には点滴が刺さっていて、呼吸は荒く、体がものすごく熱かった。
すごく苦しそうで、眠っているというよりは気絶している状態かもしれない。
「道端で倒れてたらしくって。通りすがりの人が救急車呼んでくれたのよ」
看護士さんが、そう言っていた。
例の「男性だけがかかる病気」にかかっているらしく、男子は面会が強制的に不可能だった。
だから若武達は入れなかったんだ。
でもヒーローは何を考えているのか、
「すみません、男性だけがかかるという病原体を見せてもらえますか」
と聞いて、受付で若武達と見ていた。
「やっぱり、そうか…」
「お前、何か知ってんのか?」
「やっぱり、NTBKだ。上杉和典、助からないかもしれない…」
そう言ったヒーローの顔がすごく青ざめていた。
もちろん、「上杉和典、助からないかもしれない」という言葉を聞いた私達も青ざめていたんだけど。
「どういうことだっ、ヒーロー!」
若武がヒー口ーにつかみかかる。
「まだ確証はないんだけど、日本にこの病気がはやっている原因は、私かもしれない…」
「はぁっ!?今すぐその原因とやらをやめろ!」
「まだ確証はないって言ってるじゃん!それに私がやめようと思ってやめられる問題じゃないの!どうしよう、みんなが死んだりでもしたら…」
これほど取り乱してるヒーローを見るのは初めてだった。
「まぁまぁニ人とも、落ち着いて。とりあえず上杉みたいに道端で倒れるなんてことにならないように、明日からー緒に帰ろう」
黒木君がニ人の肩を抱いてなだめる。
ヒーローはその手を払って、
「いいよね、なぁーんにも知らない人は」
とイヤミっぽく言い、さっさと歩いていってしまった。
次から4です。
上杉クーン。゚(゚´Д`゚)゚。
そしてなぜヒーローが原因なの(;゚Д゚)!?
男性だけがかかるとしても
重い病気なら入れさせてくれないんじゃない…?