>>606
ありがとー!
じゃあ、書いてくるね
〜お花見は知っている〜 彩side
休みの日、私はいつもより少し遅く起きる。
だから奈子よりも遅くなってしまう時もあるんだ。
でも、朝食を早く食べてとせかされることはないからゆっくり、味わって食べられる。
休みの日って最高!
階段を降り、リビングに入るとママとパパの二人だけで、奈子はまだいなかった。
「おはよう」
あくびをしながら言うと、パパはニュースを見ていた目をこちらに向け、ママは朝食を用意しながら返してくれた。
「彩、おはよう」
「おはよう、アーヤ。ちょっと待っててね」
その言葉に頷き、私もニュースに目を向ける。
今は天気について、だった。
『今日一日、暖かな日差しに包まれ、穏やかな一日となるでしょう。風も少ないので、お花見にはピッタリですね』
画面が切り替わり、満開の桜を映した映像が流れる。
もう、そんな季節になったんだ……。
時の流れは早い。
気づけば私も浜田生二年になろうとしている。
今年は修学旅行があって楽しそうだけど、グループどうしよう。
そんなことを考えていると電話が鳴った。
キリ悪いけどきります
続き書きまーす
前 〜お花見は知っている〜 彩side
「私、出るよ」
今受話器に近いのは私だから、嫌だけどしょうがない。
「はい」
「あ!アーヤ?僕だよ」
小塚君!?
小塚君から電話が来たのは久しぶりで、ビックリして声が出なかった。
「アーヤ?」
名前を呼ばれハッとなる。
「あ、ごめんね。何でもない。どうかしたの?」
「若武が、今日はお花見日和だからお花見しようだって。前は気づかなかったけど、大きいのがあるみたい。アーヤは大丈夫?」
正直、お花見は嫌い。
虫はたくさんいるし、酔ってる人もたくさんいて汚いから。
でも、若武の家なら平気だよね。
私はさっきの桜の映像を思い出した。
満開な桜が、たまに吹く風に揺れて少量の花びらが舞っているの。
うん、行きたい!
あ、でもママたちがなんて言うかな……
「ちょっと待ってて。聞いてみるから」
「うん」
保留ボタンを押し、リビングへ戻る。
「アーヤ、誰からだったの?」
「小塚君から。お花見しようって。ね、行ってもいい?」
ママはパパが頷いてるのを見てから、ニッコリと微笑んだ。
「いいわよ。小塚君によろしくね」
違うっ!