【銀色の心は知っている】
〜第2話〜
「え…立花さん?」
如月さんが私を見て目を丸くする。
隣の翼も相当驚いているようだった。
「まさか、覗いてたわけ?つーか、ツバサを譲れないってどういう意味?」
問い詰めるように、如月さんが私を睨む。だけど、不思議とその目も怖くは
なかった。
「そのまんまの意味。私と翼は…」
そこまで言って、全身に力を込める。
私が如月さんに、翼と恋人同士であることを言おうとしていることを悟ったんだろう。翼が首を横に振る。
きっと、このことが如月さんからクラスに広まってしまえば私がいじめられることを心配してくれてるんだ。
でもごめんね、翼。ありがとう。
そう心で呟き、私は言いきった。
「付き合ってるから。如月さんには譲れない、ごめんなさい。」
私達3人の間に沈黙が流れる。
そして、やっとのことで如月さんが
喋りだした。
「……ふぅん。そう。」
ただそれだけの言葉なのに、すごく冷淡な響きを含んでいて、私は急に恐く
なった。
だけど、ここで引き下がるわけには
いかない。
「わざわざそれを言うってことは、
ウチらを敵に回すってことだけど?
それなりの覚悟ができてんだよね?」
翼が苦い顔をする。私を巻き込んでしまったと自分を責めているんだ。
本当に優しいなぁ、私の彼氏は。
「うん、好きにしたらいいよ。だって私は…」
余裕を見せるように、少し口角を上げてみる。
「絶対に負けないから。」___…
アッ、翼のセリフないじゃん←
でも、こういうアーヤかっこよくて
好きだなぁ(*´ワ`)