「 如何した ? 急に空なんか見つめ出して 」
きっと私用の食事を片手で持ち 、 部屋の扉を閉めた彼 。
ベッドの淵に三角座りをしながら 、 窓を眺めていた私に 、 人のよさそうな笑を浮かべて 、 問いかけた 。
私は寝惚け眼で 、 彼と食事を交互に見ては 、 少し複雑な表情を抑える 。
「 なんでもないよ 、 へーすけ 」
そう言って食事を机に置いた彼に向かって 、 一歩二歩進み 、 机の前に座る 。
彼 、 否 兵助は私の返答を聞いては 、 又先程のような笑を浮かべて 、 そっかと言った 。
「 外に出たい なんて言うのかと思ってたから 、 安心したよ 」
頂きます 、 と私は手を合わせて箸を取って 、 彼が作ったであろう煮物に手をつけた 。
そんな私を 、 …自分で言うのもなんだが 、 可愛がる様な表情で見た兵助は 肘をつきながらそう言った 。
…彼はエスパーか何かなのだろうか 、 まあそんな気持ちも無くはない 。 兵助に監禁され彼此五年 。
諦めなんてついていたが 、 やはりその気持ちは捨てきれないのだ 。
「 …そんな事 、 思わないよ 」
私もいい加減 、 そんな気持ちも捨てきれればいいのに 。
そう思いながら返事をすると 、 彼は満足気に私の頭を撫でた 。
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間違った愛し方をしてしまった兵助くん 。
彼女を独占したくて 、 彼女も彼を独占したくて 。
愛の言葉を吐くのは兵助くんばっかり 。
訳の分からかい短編2