もっと風を感じたくて、ペダルに乗せた足に力をこめると、ぐん、と体が前に突き出した。 制服の下に、じっとりと汗がにじんでいる。 呼吸が速い。太ももの筋肉が重い。だけどわたしは、自転車をこぐ足をゆるめない。 進め、進め。前へ、前へ。 前へ――。>>2