地名の謎3
今度は少し視点を変えて、地名の長さについて書こうと思う。
大抵、市町村名は一〜四文字ぐらいなのだが、これといって長さの規定はない。
なので、五文字地名(例、山陽小野田市)、六文字地名(いちき串木野市)なども普通に存在している。
また、読みがな(小文字も含める)だけでもとても長い地名も存在している。
現在は南九州市(みなみきゅうしゅう)の九文字がトップである。
しかし、かつてはそれを越える長い地名があったのであった。
それは、1959~1960年の間の約一年間に存在していた。
大阪府南河内郡に存在していた、「藤井寺道明寺町」である。
なんと、漢字六文字、読みがな十一字で構成されている長過ぎる地名である。
手紙などでこの地名を書くとするならば、
「大阪府南河内郡藤井寺道明寺町○○」と、町名を書くまでに疲れてしまうほど画数が多い。
そもそも、この地名はいわゆる合成地名と呼ばれるもので、かつて存在していた藤井寺町と道明寺町をそのままくっつけただけであった。
おかげで「寺」が二つもついてしまっている。
やはり、これだけ長いと苦情が殺到したようで、19601月1日に、周辺に所在する「古市古墳群」から由来した「美陵町」と改称した。
その後、市制して美陵市、即日改称で藤井寺市となり、現在に至っている。
地名というのは、奥深いものなのである。
ミス
1960年1月1日