里奈編
はじめまして、私は小島里奈(こじまりな)。
クラスで目立つこともなく、友達もいるごく普通の中学一年生です。
そんな私ですが密かに憧れを抱いてる人が…
その人は──……
その時
ガラッ
「おっはよーん!玲奈!結衣!莉愛琉!」
「おはよー!琉夏!」
「琉夏今日もめちゃかわいい〜!」
「やーっぱ琉夏はうちらとは格が違うよね〜!」
「いや〜て〜れ〜る〜!」
「そーいう琉夏がかわい〜!」
そう、私が憧れてるのは梅澤琉夏(うめざわるな)ちゃん。
彼女は明るくて可愛くて、先輩にも同級生にも人気がある。
そんな彼女に私は憧れを抱いていた。
その時
「里奈おはよー」
「おはよー里奈」
「おはよ」
この子達は私の友達、山下紗里(やましたさり)吉塚奈菜(よしづなな)だ。
この子達も私と同じでクラスで目立たないし地味だ。
その時紗里がいきなり
「あ、そーいえば梅澤さんの噂知ってる?」
「何?」
「えーなになに聞きたーい」
「なんか梅澤さんのこと気に入ってる先輩いるじゃん、その先輩が話してたの聞こえたんだけどさ」
「何?」
「梅澤さんって、複雑な家庭で育ったんだって、なんか、義理のお父さんがいて、その人に襲いかかられたんだって、それでね、そういう家庭で育ったから梅澤さんは荒れてるんだって……ほら、よく梅澤さん先輩とか気に入らない同級生とか、気に入らない先生に反抗するじゃん、それは家庭が複雑で、そのいらいらをぶつけてるんだって」
「え、まじ?」
「まじかー」
「私も先輩の話聞こえただけだから本当かどうかはわかんないけど……」
「あー」
そうだったんだ
たしかによくよく考えると梅澤さんよく喧嘩とかしてるもんね
やっぱそういうのが関係してんのかなー
そう思うとなんか可愛そ
ふとその時視線を感じたので梅澤さんの方を見てみると梅澤さんはこっちをちらっと見てすぐ友達の話に戻った。