「 え……あ、はい 」
それは僕にとって衝撃的すぎる出来事だった。「 僕の昼休みの邪魔をしないでくれ 」と言いたかったはずが、状況がうまく飲み込めないために、とりあえず頷いてしまう。
ていうか――この子の名前、なんだっけ。
そんな僕の心の中を透視したかのように、目の前の彼女はさらりと自己紹介をした。
「 私は、西川千紗。君は、真壁樹くんだよね? 」
西川。西川千紗。名前を聞けばなんとなくで分かるだろうと思ってはいたが――残念なことに、僕は彼女を1ミリも知らなかった。
/ 真壁 樹 ( マカベ イツキ ). 西川 千紗 ( ニシカワ チサ )