第1話
*孤独な少女の話*
元気な泣き声が、白い病室に響いた。
それはこの世に新たな命が芽生えたことを祝福する鐘の音のようだった。
「元気に生まれてきてくれて……ありがとうね」
母親は疲れ切った表情で赤ん坊を眺めた。
やつれた頬が痙攣していた。
母親は、ほっとしたような表情になり、すっと意識を失った。
「お母さん、行ってきます!」
髪型よし、制服よし、笑顔よしっ!
よーし、今日も絶好調かな。
お母さん、行ってくるね。今日も、頑張って闘うからね!
**…*…*…**
私の名前は、嬬恋可憐。
とある中学校に通ってるんだけど…。
「あんた、いつになったら消えんの?」
「いい加減、気味悪いんだよ!」
「お前みたいなゴミ屑と同じ空気に触れてるとか気持ち悪いわ」
ばしゃ、と冷水が浴びせられる。
………虐め。実際に経験すると、やっぱりそれなりには辛い。
誰も助けてくれないし、それどころか私をゴミみたいに見てる。
あーあ、こんな世界嫌だ、もっとパーっとした世界に行けたらいいのになぁ…。