けど、そんなの夢のまた夢。理想的な完璧な世界なんて、存在し得ないに決まっている。
「あー、今日も優越感ヤバイ」
「あいつ虐めると達成感ヤバくね?」
「だよねー。あいつ腹立つほど完璧だし」
「あんなに完璧とか、本当に人間か?」
きゃははははは、と明るい笑い声が教室に響く。
そんなことで優越感得るなんて、なんて愚かなの…。
私は、ゆっくりと教室を出た。
向かう先は、保健室。
「……好美先生、いますか?…」
「あら、可憐ちゃん……」
保健の好美先生は、私の一番の理解者。誰よりも私のことを思ってくれてる。
「ちょっとやられちゃって…」
たはは、と自嘲気味に笑う。こんなことで悲しくなるなんて、私も弱っちいなぁ。