外に出てみると、街は寂れていた。
商店街の店は全てシャッターが閉まっているし、廃墟になったビルが立ち並んでいる。
ネオンサインの看板が地面に落ちていたり、無人ではあるが高層ビルが並んでいることから、以前は活気があったということは推測できる。
人影は疎らで、俺と翔也、その他俺たちと同じ制服を着ている少年少女がチラホラ居るだけだ。
「変わっちまったよなぁ。日本分裂紛争の始まった、あの日から」
唐突に、翔也がしみじみと言った。
「日本……分裂紛争?なんだそれ」
俺は聞き慣れない言葉に、思わずオウム返ししてしまった。
「な……お前、いくら前回の社会の小テスト0点だからってそれはねーぜ!?今起ってる紛争だろーが!」
「紛争?日本で……か?というか、俺が社会の小テストで0点だと?」
俺はいつも現実世界では主席をキープしている。
0点だなんて、夢の俺は何をしているんだ。まぁ、夢だからなんだっていいんだが。
「そうだよ。お前先生に大声で点数公表されて笑い者にされてただろ?先週」
どうやら夢の中の俺はバカってことらしいな。
「今日は理科と数学のテストあるけどよー。お前大丈夫か?1週間も授業受けてねーだろ」
「あぁ。ダメかもな」
俺は早くこの夢が覚めてくれないかと、必死に思った。