授業中手を挙げてみると
「お前に答えさせると面白くない」
と先生に苦笑いされ、
テストを受ける度に
「雨がいると1位になれない」
と同級生の邪魔者になり、
先輩が勉強教えてあげると言ってくれても
「雨ちゃんには分からないことないもんね」
と、断ったために寂しそうに呟かれ、
家族には…、
「雨乃は可愛げの無い子だわ」
そう、冷たく言われるだけだ。
私の精神は、9割が勉強で保たれている。
残りの1割は、
最低で最悪を“偽る”姉への期待だった。
また、戻ってください。
笑ってください、お姉ちゃん。
彼の持つ成績1位という称号を私が奪うから、そうしたら、
雨乃、頑張ったね。
って、言ってほしい。
『誰よりも器用なキミでした』