〜始まりのお話〜 テレビの中で一人の女の人がリボンを回している。クルクル綺麗にまるで、自分の意思で動いているようで、まったく難しく見えない。 『明、綺麗だね』 と隣にいたお母さんが言った。 『やりたい・・・明もこれやりたい!!』 『そぉ?大きくなっても頑張る?』 『うん!頑張るよ!』 『じゃあ来週体験に行こうか?』 『うん!明、行く!』 ー週間後ー 『じゃあ始めるよー。今日は体験の明がいるよー』 と、新体操の富田先生が言う。富田先生は気さくで初対面の自分のことも『明』と読んでくれる素敵な人だった。すごい。富田先生は大人なのに、開脚もY字バランスもなんでもできちゃう。それに富田先生に教わってる子たちもみんなキラキラしてて一生懸命頑張っていた。 『富田先生!』 『ん?なぁに、明』 『明、新体操やる!大きくなっても頑張ってやるの!』 『じゃあ、明来週からよろしくね』 『うん、よろしく!』 お母さんと富田先生が話してる間もずーっと練習してる子達を見てた。来週からここで富田先生に新体操を教えてもらえる!考えただけで心の底からワクワクした。