ーーーー桜満開の山の中、ポツン建つ一軒家。そこには、若者達が住んでいた。
藍翔:「……なぁ。」
縁側から庭の桜の木を見つめ、藍翔(あいと)は隣にいる紫舞(しま)にポツンと問いかける。
紫舞:「何ですか」
気のない返事を返す。
藍翔:「都会行きてーって思わねぇか?」
紫舞:「思わなかったことが無いです。」
藍翔:「実は俺さ、宝くじ当たったんだ。」
紫舞:「ふーん……は?えっ、は?!いくら?!」
藍翔:「50万。」
紫舞:「嘘だろ……くじ運はカスのお前が……?」
次の瞬間、襖が物凄い勢いで開く。そこには、刀使い都樹羽(ときわ)が立っていた。
2人は都樹羽の性格をよぉぉおおおおく分かっていた。血の気が引いていく。
都樹羽:「何してんだお前ら。」
2人はこの家に居る自分達以外の人間が、一生懸命汗を流しながらこの家の掃除をしているのを知っていた。
紫舞、藍翔:「いや、そ、その別にサボってる訳とかじゃなくてその……ね……?」
許して貰える訳が無い。2人とも痛いほど分かっていた。この後何されるかも察し済みだった。
しかし、都樹羽は怒るどころか笑顔で
都樹羽:「さっきの話、本当?^^*」
何とも威圧感のある笑顔で言った。
都樹羽:「お前ら後で居間に来い。」
右手の親指で居間の方を指さす。2人はゆっくりと立ち上がり、カタツムリの様な足取りで居間へ向かった。
取り敢えずここで切りますー