ドンッ
肩がぶつかるのはこれで5回目。霧琴学園の生徒は大量にいる。前の学校は一学年120人くらいだったから驚きだ。
ドンッ
「いっごめんなさい!」
まただよー!今度は先生らしき中年男性にぶつかった。もう··········!?気のせいかな···?今おしりを触られたような···
···後ろには誰もいない。気のせいだ。
「···9時半から始業式を始めます。各クラスの先生の指示に従って体育館まで集合しましょう。繰り返します···」
放送を聞いて少し不安になる。先生はどんな人か。助けてくれるのか、と_
「えーと2年7組はここか!」
やっとのことで教室を見つけ出し入る。机も椅子もピカピカでクーラーがついている。前の学校は机も椅子もボロくてクーラーがなかった。田舎の学校と比較してしまうくらい綺麗な学校だ。
隣の席の人と仲良くならなきゃ!えーと?郷寺慧乃···女子か!美人で黒髪。青っぽい···緑っぽい···ミク色の目。
「美人···」
思わず声に出してしまった。郷寺さんはちらりと私を見る。
「あ!えっと東谷桜華です!初対面で言っちゃったけど美人ですね!えと、憧れちゃいます!」
ああ。もう変人って目で見られた···。郷寺さんは顔を真っ赤にしている。!?
「あっあたしなんか美人じゃないですよっ!東谷さんはめっちゃ可愛いじゃないですかっ!人形みたいですっ!」
焦ってる郷寺さん···
可愛い
「そんなことないですよー!慧乃って名前からして美人っぽいじゃないですか!」
ポカーンって顔をする郷寺さん。どうしたんだ?
「名前···知ってたの?」
「え、あ、うん」
「名前で呼んで?」
「え、あ、慧乃ちゃん」
「友達になってくれる?桜華ちゃん」
まってまって何この会話!?でも初友ができるチャンス!
「もちろん。慧乃ちゃん」
パアッと顔が変わる慧乃ちゃん。どうした!?
「ありがとう(о^∇^о)」
どきん
私のはじめての友達は美人で、面白くて、可愛くて。はじめての恋心が芽生えたひとでした。