…此処は何処かのセカイ。辺りを見渡せば紅の瞳が輝いたり、海色の髪が靡いたり。
駄々を捏ね噴水を浮かせる子供も居れば、100歳などとっくの昔に過ぎ去ったような老風の紳士がそれを宥めている…そして、それを遠目に眺めていた貴族の少女の一言「 邪魔 」で、2人は次の瞬間命を落す…そんな、セカイ。
…此処には、破ってはいけない暗黙のルールがある。 一つ、庶民並びに奴隷は貴族の命令に従うこと。二つ、前条に反しない限り、誰もが命を大切にすること。三つ…前ニ条に反しない限り、崖の上の教会には関係者以外誰も立ち入らないこと。 理由なんて要らない。ルールだから守る、それだけ。