−REPLAY−
Data1.早朝のお届けもの
20年前のとある早朝の話だ。
一人の少年が部屋で死んでいるのが見つかった。
第一発見者は、朝村由香(あさむら ゆか)。
被害者は、倉木昌(くらき まさ)。
17歳だった第一発見者と被害者の関係は“未来の婚約者”という仲だったらしい。
「京介さん、お届けものでーす」
朝5時半。
いつもなら、まだ寝ている時間なのだが、郵便屋に呼ばれてはしょうがないと思い仕方なく布団から出た。
そして、玄関を開け郵便屋に一礼した。
「おはようございます。朝からお疲れ様です」
そして、くるりと方向を変え玄関から離れようとしたが、どうにも足が動かない。
また玄関の方を向き、足を確認してみる。
すると、さっきの郵便屋が俺の足を掴んでいた。
普通の人なら、悲鳴でも上げる所だろう。
しかし、俺には思い当たる人物がいた。
「…………真希、か?」