「あーあ……あんなことなら私がひなになれば良かったかな〜」
なんて、くだらないことを考えながらそらは席に着く。
―キーンコーンカーンコーン……
チャイムが鳴り、授業が始まった。
一時間目の授業は算数で、ひなはたくさん手を上げていた。
それに比べてそらは先生に言われたところをただ解いているだけ。
積極的なひなとは対照的だ。
放課後になり、そらはさっさと帰ろうとした。
しかし、途中でそらは誰かに呼び止められた。
見てみると、ひなだった。
「あれ、ひな。放課後はサッカーするんじゃなかったの?」
そらが訪ねると、ひなは首を縦に振った。
「うん。サッカーはするよ。だけど、私はそらを誘いに来たんだよ」