キーンコーンカーンコーン……。
「さよーならー!」
時は放課後。
学校の授業を終えた生徒たちがぞろぞろと生徒玄関から出てきた。
そんな中でただ二人、同じ顔をした女の子がいた。
「ねー、お姉ちゃん」
「何?望ちゃん」
まるで一人で会話をしているかのようにそっくり同じ声が聞こえてくる。
そう、この子たちは双子なのだ。
「あのね、望ね、お姉ちゃんにお願いがあるの」
「何?」
望は姉に近寄って耳を引っ張った。
こそこそっと何かを耳打ちした後、叶は目を丸くする。
「もー!何言ってんの望ちゃん」
「お姉ちゃん、お願い!」
「できるわけないでしょ、宿題写しだなんて」
「えー」
望は不満そうな声を上げるが、叶は続ける。
「ダメよ、ズルは」
望は頬を膨らませた後、一気に駆け出す。
「あっ、望ちゃん」
「お姉ちゃんのイジワル!ケチ!!」
「ちょっ……」
その時―……。
キキ―――!ドンッ……。