「ぼく小5からバレエを習ってるけど、今男子はぼく一人でさぁ〜、だから一緒にやろう」
「待って、バレエって白鳥の湖とかの?女の人と踊るやつ?」
よくは分かんないけど、恥ずかしそうで自分には無理って思った。
でもゆうきはレッスンしているのを見に来てって言うから、見るだけのつもりで約束したんだ。
次の日曜日の朝ゆうきと約束した場所で会って、初めてバレエ教室に行った。
廊下みたいな所で待たされて、先に奥の部屋に入って行ったゆうきが白いシャツと黒いタイツだけの格好で戻って来た。
いつもの制服や私服のゆうきとは感じが違ってなんかドキッとした。
自然に真っ黒なタイツに目が行くと、「これが男子のレッスン着なんだ。最初は恥ずかしいけどそのうち慣れるよ」と言った。
へぇって思って、レッスン室に連れて行かれると、その教室の先生を紹介された。
黒一色の服の女の先生で、あいさつすると「ゆうき君、お友達のレッスン着はそこにあるから」と言った。