えっ?とぼくは思った。「あの、ぼくは見学だけなんです」とあわてて説明すると、「見てるだけじゃね。せっかくだから体験してください」と先生は言うと、「彼と一緒に行ってお着替え見てあげて」とゆうきに声を掛けた。
それでも断ろうとしたらレオタードを着た女の子達が部屋に入って来たので、仕方なくゆうきと更衣室に行った。
「これがバレエ用の下着で、あとはシャツとタイツで最後にシューズね」。
ゆうきから受け取ると下着は薄茶色で他は全部白だった。
カーテンで仕切られた個室で着替えると、下着は厚めだけどお尻の部分がひもでタイツとシャツはサイズが小さくピチピチで、個室を出て鏡の前に立つとタイツの前にもっこりができて恥ずかしかった。
ゆうきは「ゆたか、白タイツ似合うじゃん」と嬉しそうだったけど、ぼくは真っ白な足が女の子っぽくてショックで、それとシャツが短かすぎてタイツの前が丸見えなのもとても恥ずかしくて足が少し震えてしまった。
「大丈夫、女子はぼく達のタイツなんか全然気にしないから」とゆうきに言われ、最後にぺったんこな布のバレエシューズを履いたら、あぁ本当にこんな恥ずかしい格好で女の子とレッスンするのかと思った。