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4: やすだ ももか. ◆/Q &:2016/04/19(火) 22:50



 ガチャッ

 疲れのせいか、いつもより重く感じる
 家のドアを開けながら、少し遠慮がちに
 一人呟く。

 『 ..ただいま。』

 なんだか夕飯を食べる気も湧かず、
 そのままベッドのある寝室に直行する。

 いっそこのまま寝てしまおうかと思い、
 ベッドの方を見ればそこには、先客。

 本人曰く伸びるのが早いという髪。
 すらっと高い鼻に、鼻までしたマスクに
 乗っかるくらい長くて綺麗な睫毛。
 すこし生やした髭。
 そして薄くてほんのり色づいた唇。

 それはどれも綺麗すぎるほどに整って
 いて、貴すぎて触れられないような
 気がしたりもする。

 しかし、小さく丸まって静かに寝息を
 立てるその姿はまるで小さな子供の
 ようで、無意識に頭を撫でていた。

 『 ..ん 』

 うっすらと目が開く。

 『 あ、ごめん、起こしてもぉて 』

 私の声が届いたのか届いていないのか
 その瞳は視点が定まらないまましばらく
 ぼーっと私を見つめ、

 『 ..おかえり。』

 それだけ言い残して再び閉じられた。

 私はそれを確認すると、
 彼の使っていないブランケットだけを
 ベッドから持ち出し、今日の寝床となる
 リビングのソファーに向かった。
 
 

 


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