小さいときからの、疑問がある。
「何で、男に見られるのか?」
呟くと、唯一私を女だと見分けてくれた、結花が、
「それは、いつみがカッコ良すぎるから!」
カッコ良すぎる……。
それは、いろんな意味で嫌だ。
第一に、カッコ良すぎると言うことは、女には見えないということ。
嫌な理由の第一は、私は恋しているのだ。
つまり、ソイツにさえ、女と見られてないと自覚させられる。
私が恋してる奴は、時雨奏多。
と、奏多が割り込んできて、
「お世辞にも、女には見えないよな」
とどめの一撃を言った。
恐らく、今の私は、誰かを殺してもなんとも思わないだろう。
「ぁ…。奏多、」
振り絞って、奏多を見下ろす。
あ、自分でもわかった。
私は、好きな奴よりも、大きいからだ。
奏多は、綺麗な目で、私をみた。
「………。何でもない」
改まって見られると、決まり悪くなる。