ということで(？)幸せだけど幸せじゃない(は？)ヤツ。
その日、黒幕は言った。
「幸せになりたいか？ならば選べ。すべてを忘れ、一人ひとり別々の道を歩むか、ここで仲良く死ぬか。どちらでも好きな方を。」
私たちは、幸せになろう。といった。
ある日の彩目
「彩目ちゃーん！今日の表情もいいねー！」
「ありがとうございまーす！」
幸せ、とはこのことなのだろう。十代であるにもかかわらず、巨額の富と美貌を有し、モデルとしての人生を謳歌する。何一つとして、不自由はない。けれど。
ある日の依夢
「イムー！今日遊び行くでしょー？」
「あ、ごめん、今日、先輩と…」
「あ、そっか、楽しんで―！」
今、多分幸せなんだろうな。中学校を卒業したら、いじめがなくなった。友達は多くはないし、死んでほしいと思うやつもいっぱいいるけど、先輩がいるから、大丈夫。毎日楽しい。だけど。
ある日の千夏
「千夏ー？アンタ部活でレギュラーとったてー？」
「うん、そうなの、びっくりだよねー！」
「よかったじゃない」
今すごく幸せ。学校では部活頑張れてやっとレギュラーになれたんだもん、これからだよね！足は速いし、泥棒とかやったら向いてるかも…なんて。けどなぁ。
ある日の雷羅
「雷羅、あの論文、有名な学者もほめてたぞ！」
「わ、ホント？難しかったからちょっと不安だったんだけど、それならよかった。」
「ああ、お前は自慢の娘だ！」
今、本当に幸せ。充実した機械設備の部屋で一日中パソコンやってらればいいし、お父さんは褒めてくれる。
実は陰ながらたくさんの世のための資料を作ったりしてるんだ。でも。
ある日のすみれ
「彩ちゃん、このポスターの笑顔がすごくきれいです」
「ほんとっ？実はこの時すみちゃんのこと思い出してたんだよ！」
「え、ええ？そうなんですか？」
今、幸せです。友達は彩ちゃんしかいないけれど、みんなのあこがれの彩ちゃんがいつも隣にいてくれて、大好きだと言ってくれて。彩ちゃんは誰よりも私のあこがれです。だけれど。
ある日の幸奈
「幸奈〜」
「きゃ、もーなあに？」
「んー？好き」
今、怖いくらい幸せ。前の浮気癖のある彼氏と傷心ながらに別れて正解だった。友達の紹介であった今の彼はピッタリ理想の人。この人がいれば何もいらないと思う。思うのに。
ある日のナナコ
「ナナコ、先日の報酬だ。よくやったな。」
「ありがとうございます、またご贔屓に。」
「ああ、頼むよ。」
今、幸せ…。怪盗として世界中を駆け回っていて、今私にかかっている賞金はたしか…いくらだっけな。
今まで盗んだお宝の分くらいはあった気がする。ああ。
ある日、六人の少女は「もっと、楽しい日々があった気がするのは何でだろう」と呟き、
一人の少女は「これで良かったんだ、みんなが忘れて幸せになるなら、それで。」とつぶやいた。
あれ…おかしいな…アニメ化してないはずなのにアニメのような映像が脳内に…もうアニメ化しろ()