「あああ! 可愛いウサギ!」
あたしが指を指してウサギを見れば、ウサギはシリアス気な顔をして言った。
「パンパカパーンツ!! おめでとー! 君はトリップしてテニプリワールドに行ける世界でたった三人の女の子の一人だよ!」
「おい。待てコラウサギ。」
どかっとウサギを足蹴にし、ゴミムシを見る目でさげすんだあたし。っていうか最初のパンパカパーンツ!! て、下ネタやん。シリアス気な顔してなんでそんなに明るい声が出るねんマジでキモいわ。
「なんだい!? いおりちゃん!」
「これは一体どー言う事やねん。」
「あ! それね! 実は神様の間でテニプリワールドにトリップさせる人間を三人選ぼう! って事になったんだけどね。
そのうちの二人がなんと日本人!! だから最終人も日本人にしよう! って事で、偶然僕を見つけた君が最後のトリップする人になったんだ!」
「よし! トリップは分かる! テニプリになんだ!」
いやいやマジで。テニプリって何? テニプリ……テニ、テに……テニス!?
「もしかして【テニスのプリン】!?」
「違う。」
「じゃあなんなん。」
「テニスの王子様だよ! もしかして知らない!? 嘘だー、あの名作を知らないなんて。」
「……お前ボコって良い?」
「いやだめだめだめ! 僕最上級の最上階の最上ランクの神様だし!」
「あ、神様だったの? って神様? え。何それ美味しいの?」
「食べ物じゃ無いよ!」
とりあえずこの目がいたくなる部屋をどうにかしろい。
「で、どうする? トリップする?」
「する。」
「よし分かった。但し約束事があるよ。
1,自分がトリップしてきたと言わない
2,必ずキャラクターと関わること
3,テニプリが漫画だと言うことは絶対言わない。
4,困ったら僕を呼ぶこと。
良いね?」
「面倒だけど良いで。はよ行こ。」
面倒臭いから早いとこ済ませちゃってよ。
「じゃあいってらっしゃーい! あ、待って。最後に希望を聞くよ。」
「え、何それ。」
「自分がこうでありたいとか。」
「!! なら男装したい! あと家が極道じゃ無くして! 甘味処はそのままで!」
「分かった!! じゃあね!」
「おん!」
そしたらあたしの足元に急に出てきた黒い穴に落とされて、目が覚めたら。
あたしは布団で寝て今起きた所だった。