「レン君、ちょっといいかな?」
夕暮れ時、マンションの三階に住むレンの部屋に管理人、カイトが訪ねてきた。
「何、カイ兄さん」
「リンちゃん、いるかな?仕事が入ったんだけど…」
仕事ーー彼らの仕事は歌う事。作った歌を歌って欲しい人に依頼される。
よって、彼らは歌が好きだ。
「リン?居るけど…今、寝てる。あとで渡すからポストに入れておいて。」
「そっか、じゃあよろしく頼んだよ」
カイトは伝えた後、カシャンという音を聞いてから去っていった。
「んー、レン、誰か来たのー?」
「おはよ、リン。 そうそう、リンに仕事だって。」
ふぁ、と欠伸をしながら奥から出てきたのは鏡音リン。
ここの同居人である。
「お仕事?…リンに!?やったぁ!」