二人の蘭【名探偵コナン&テレパシー少女蘭】

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3:美代:2016/06/07(火) 00:13 ID:Lfg

「僕はね、蘭姉ちゃんの応援なの!」
「え、あのお姉さんも蘭って言うの?」
(も、ってことはこの中学生もって事か?)
「もしかして、お姉さんも蘭さんなの?」
「そうだよ、そういえばあの蘭さんって彼氏さんとかいるのかな。お兄ちゃんが一目惚れしたんだけど」
(ここにいる俺…って言えねえしなぁ)
「んーとね、いるんだけど探偵さんでなかなか蘭姉ちゃんの元に帰れないんだ…だから僕がね、悪い虫を退治する役目なの!」
(俺が戻ってくるまでに悪い虫なんて絶対つけさせっかよ。ガキの姿でも威嚇は出来るんだからな)
なんだろう、この子が喋るとさっきの男の子の声が続けて聞こえるけど誰が話してんだろう。

「蘭、お兄さんが呼んでる」
「ああごめん、またねぼうや。留衣、なあに?」
「名波さんが燃え尽きてるから、どうにかしてくれって」
「大丈夫、今の事伝えれば、翠は間違いなく復活するから」
すうっと、息を吸って叫ぶ。
「翠〜、この人彼氏いるって!」
「ほんまか!!」
回復まで0コンマ2秒。
相変わらず翠は立ち直るのが早い。
その代わり落ち込む兄の凛はどうするべきか。
試合はとりあえず終わったのだし、いいのだけどこうなると面倒だ。
ため息をつくと、向こうから男女の二人組がやってくる。
「蘭ちゃーん、ごめんなぁ!平次がな、また事件に首突っ込んで遅れてもおてん!」
ポニーテールのセーラー服のお姉さんが蘭さんに手を合わせて謝っている。
彼女の友人らしい。
「和葉ちゃん!来てくれただけでも嬉しいよ!見て見て、この子も蘭ちゃんっていうんだって」
「そうなん?かわええなぁ、何年生?」
「中学二年生です!」
「中二かぁ…中二ゆうたらスキー授業の事思い出すなぁ、平次」
「要らんこと思い出すな、アホ!」
いいやんか、思い出話くらいさせてや!
恥ずかしいやろ、俺はどこのどいつか分からんやつに負けたんやで!
翠とは違う、少し柔らかな関西弁だ。
〔それ、俺だっつーの〕
あ、またさっきの声。
「名波さんと蘭…みたいだ」
「確かにね〜、ってそんなに私漫才みたいな事してる?」
留衣はこくりと頷く。
好きな人の前で漫才繰り広げてたのか、私…
「らーん、留衣くん、遅いで!」
向こうから走ってくるのは私の親友、名波翠。
私が高校生のお兄さんお姉さんと話していたのを見てしびれを切らしたらしい。
蘭、とよばれ振り向いたのは私と、高校生の蘭さん。そしてそのお友達。
「ほらほら、蘭。カレシと仲よおしてる場合ちゃうで。最終バス出たら帰れへんのやからな」
「翠は先帰ってていいよ。私と留衣は美術鑑賞の予定があるの!」
「あっそ、あんた帰れへんくなっても知らんからな!」今日の天気予報よお見ときや!
翠は言い捨てるように凛と会場を後にした。


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