俺の名前は、ノヴァ。
男みたいな接し方をしてるけど、れっきとした女。
皆にはよく男みたいだと言われるけど、これが俺だから。
あ、こんな話してる時間はなかったや!あのお方たちが呼んでるから、またね!
〜ある一室〜
「すいません・・・、遅れました」
俺は跪くと、三色のスポットライトが当たる。
何も表さない白、真っ赤に燃える赤、凍てつくような青だった。
今日はなんて言われるだろう?
「遅かったな、ノヴァ。一体何してたんだい?」
「・・・すいません、レーゼ様達の練習データを取っていました」
グラン様の声が酷く不機嫌だと瞬時に理解した。
「はッ!セカンドランク如きに手こずってたのか?」
「申し訳ありません」
バーン様も待たされて酷く不機嫌だ。
「ノヴァ、聞いておくぞ?君は私達の何だ?」
「・・・この俺は皆様の人形(ペット)であり、俺は皆様の言われた時刻に絶対に来る事です・・・」
「分かっているなら、いいが・・・今度もし、遅れて見ろ。分かっているな?」
ガゼル様の低い声が響く。
冷や汗が一つ滴り落ちる。
「はい・・・申し訳ありません」
俺がそう言うと、三つの溜息が聞こえて来た。
俺はレーゼ様の率いるジェミニストーム、デザーム様が率いるイプシロン、バーン様が率いるプロミネンス、ガゼル様が率いるダイヤモンドダスト、グラン様が率いるガイアに仕える者だ。
こう言う関係は5年間続いている。
俺は奴隷でそのチームの全員は俺の主人だ。
だから、逆らう事も出来ない。
バーン様、ガゼル様、グラン様のお叱りを終えて俺は部屋を後にした。
〜廊下〜
「ん?ノヴァじゃないか」
「ゼル様、今日も元気ですね」
俺の目の前にゼル様が来た。
ゼル様はそう呼ぶなと言うが、上下関係があるからいつも様を付けて喋っている。
「いや、お前も元気そうだけど・・・また怒られたのか?」
「はい、お恥ずかしい事に・・・」
「・・・俺の時は、そう敬語になるなよ。」
「いえ、貴方様も俺の主ですから」
「・・・そうか、あんま無理するなよ」
ゼル様は俺の肩を叩いて行ってしまった。
俺はまた歩き出す。
いつもの日常が今日も始まる。
続く