6【若×い】
薫ちゃん、すごくガツガツくるタイプなんだ。
近所にいないタイプだ。
「おっこ。どうしてひふみ学園に来たの?朝子に用で?」
「あぁ。ちょうど朝子ちゃんの学園と近い所にいたから、来てみようと思って。入れないかもと思ったけど、ちょうど作品展があったから。作品展も見るついでにここに来たの。」
「わたしと出会えてよかったね」
かおるんと出会えてよかった、かあ。
確かに、姿勢がガツガツ系の子とも出会えてよかったかも。
「あの。そっちのふたりは?」
「ああ。牧野みずきです。よろしく」
「直毘モモです」
直毘さん?
確か、春の屋旅館に直毘様の作品を飾らせていただくわ。
もしかしたら、親族かしら?
「あ、あの。みずき、おっこちゃんと仲良くしたいです!よろしくお願いします!」
「あはは。いいのよ。あっ!そろそろ行かなくちゃ!ごめんね。ありがとうございました。さようなら!」
あぁ。
ひふみ学園楽しかった。
って!
ウリケンどこに行ったの?
『作品展見に行ってるわ。』
「美陽ちゃん!」
作品展…気が早いなあ。
>>477の続き
7【若×い】
おっこちゃんが帰ると、薫ちゃんはため息をついた。
「どうしたの?薫」
朝子ちゃんが疲れぎみの薫ちゃんに話しかける。
リオは、静かに自分のクラスに帰っていった。
きっとおっこちゃんもいないし、薫ちゃんのことだからかな。
みずきちゃんも、リオを追いかけるようにこの場を去っていった。
「わたし、おっこちゃん苦手。あんまりタイプじゃないの。朝子はタイプだった?おっこちゃん」
「元から仲良くしてるし。わたしはずっと小さい頃も遊んでたわ。キライなタイプとか関係無いの」
薫ちゃんは、な〜んだ。と言ったようにして自分のクラスに帰っていった。
わたしも、ちょっとため息が出る。
「モモちゃんまでため息?」
「あはは、ちょっとね」
すると、またおっこちゃんが戻ってきた。
おっこちゃんに反応して、リオとみずきちゃんが出てきた。
薫ちゃんがいないから、リオは超にっこり笑顔。
「えっと、朝子ちゃん、リオちゃん、みずきちゃん、あと、薫ちゃん。あなたの名前が分からないの」
おっこちゃんの視線はわたし。
あぁ、何も話しかけてないしね。
「直毘モモです」
「ごめんね。モモちゃん。朝子ちゃんとリオちゃん、みずきちゃん、薫ちゃんとモモちゃんね。」
そう言って、身を翻して帰っていった。リオとみずきちゃんも、またクラスに帰っていく。
わたしと朝子ちゃんも顔を見合わせてクラスに帰った。