〜出会い〜
数日前、家出をした僕は砂漠を横断していた。
「…あとどれぐらいで目的の場所につくかな…。」
街を出るときに持ってきた食料や飲み物はすでに底をついていた。
やはり自分一人では旅など無理だと思い、空しくなっていると
「…やっぱり、あんたに一人旅は無理だったのよ。」
暑さのせいか、幼馴染のアクアの声が聞こえた。
「…そっかー…やっぱり、無理なのかな…」
「お、男でしょ!これくらいの失敗の一つや二つぐらいあるわよ!…多分、だけど。」
だんだん暗くなっていく僕の声に慌ててフォローをしてくれる幻覚。
「…あれ?もしかしてだけど…本物?」
「は?…何が?」
あなたは偽物のアクアですか?なんて聞いたら怒られるよね…
「で?何が偽物なのよ。言ってみなさい、話は聞くわ。」
うん。言っていいなら言うけど
「…君は偽物のアクアですか?」
…殴られた
「だって!言って良いって!!」
「まさか自分が偽物扱いされてるかも〜なんてどう察しろっていうのよ!」
どうやら怒り心頭のご様子。
「いや、だって…こっそり抜け出したのに何で僕の後ろにいるんだよ」