第8話カラ松side
俺は、長い闇から解放された気分になった。
兄弟とコミュニケーションを取れるようになった。
おそ松が競馬に負けた話も、ささいなことなのに、話していると思わず笑顔になる。
でも、心が痛くなるのは夜だった。
うなされるトド松の声を聞くと、
あぁ、トド松がうなされるのは自分のせいなのだろうな、と思って、泣いてしまう。
その時はすかさずおそ松が慰めてくれた。
背中をゆっくりさすってもらうと、とても安心する。
暖かい手で背中をゆっくりさすってもらいながら、
「大丈夫だから。大丈夫。」
と、俺にしか聞こえない声でささやいてくれる。
「なんだそれ…!」
俺は、涙でぐしゃぐしゃの顔で、笑いながら呟いた。
おそ松が寝た後、俺もトド松に、同じ事をしてあげた。
「うっ…うぅ、ごめ……い」
トド松が夢の中で誰かに謝っている。
俺は、トド松の涙をそっと拭い、トド松が落ち着くまで側に居る事にした。
でも、そうすると落ち着くのは、漫画やドラマの話。
いつまでたっても、トド松は泣きながら謝ったり、何かを堪えるような顔をしたり、全然落ち着かない。
あのドライモンスターにも、可愛いところがあるんだな、と改めて知った。
やっぱり、トッティ可愛い……