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【氷の言葉】
「あら貴志くん、おかえりなさい。」
家の玄関の前までいくと塔子さんが洗濯物を取り込みながら言った。
「ただいま、塔子さん。」
俺はそう言うと扉を開けて家に入り、自分の部屋に行った。
トントントントン
ザッ
障子を開けて部屋に入る。
「ニャンコ先生ー。」
呼んでも出てこない。
「出かけてるのか…。はあっいっつも大事なときにいないんだからあのニャンコは…。」
俺は鞄を置き、服を着替えた。
「あいつ、なんで自分を殺してくれなんて…あ。」
俺ははっと思い付き、鞄から友人帳を取り出す。
「これにあいつの名は入ってないのかな?」
ーーー「友人帳」それは今は亡き祖母レイコから俺が遺品として受けた多くの妖を子分とさせる契約書の束。彼女も妖をよく見ていたらしい。人々に気味悪がられた彼女はいつも独りでいたが、やがて妖相手にやつあたりを始めた。強力な妖力を使ってイビり負かした妖達に紙に名を書かせ集め作ったそれが「友人帳」だ。今は妖達に名を返す日々を送っている。ーーー
「あいつの名がこの中に入っているのなら、訪ねて来るかもしれないけど、その名が分からないんじゃあな…。」
うーんとうなっていると
「たっだいま〜。」
そんな声が聞こえ障子がザッと少し開いた。そして、猫が入ってきた。
続く
そうだよー、ここって小塚役やってるよね?(違ってたらごめん!)
>>19
RARAさん、小説更新待ってました!とっても、面白かったよ!