>>214の続き
sideルカ
…手、繋いじゃった。
ミクの手、少し冷たい…
緊張してるのかな?
それでも何でもない振りをした。
「続いては今大人気の新人アイドル、M*Rのお二人です!どうぞ!」
MCのMAYUちゃんが言い終わると同時にステージに上がる。
ミクと背中合わせに立ち、イントロを待った。
ワールズエンドダンスホールのイントロが流れ出した。
その曲に合わせてクルッとターンしたり、
ステップを踏んだり。
ミクがマイクに口を近付けて綺麗な透き通った声で歌い出す。
その声に合わせるように私も歌った。
「♪ホップステップで踊ろうか、世界の、隅っこで1、2!」
サビに入ると会場は一層盛り上がった。
そして曲も終わり、会場に集まってくれたファンのみんなに
手を振ったり、礼をしたり。
最後まで手を振りながら楽屋に戻っていった。
「ルカ、お疲れ様〜!」
「ミクも、お疲れ様。
ミス無かったじゃん、よかった〜♪」
茶化すように撫でてやる。
…今は楽屋に二人きり。
マネージャーさんも居ないことを充分に確認する。
「…あのっ、ミク、大事な話があって…」
いざ告白となると恥ずかしいものだ。
顔に熱が溜まっていく。
次の言葉が喉の奥からなかなか出てこない。
「わ、私っ…ミクのことがっ…」
sideミク
突然ルカが真剣な顔になる。
もしかして、アイドル活動のことかな…
それとも、告白…?
告白、という言葉が頭をよぎった瞬間、顔が赤くなったような気がした。
sideルカ
ミクの顔が赤くなってる…。
これはチャンス?
「私っ、ミクのことが会ったときから好きでした!
そっ、その…付き合ってくださいっ!」
お願いと、今の顔を見せたくないので頭を下げた。
ミクは驚いたような、嬉しそうな、
曖昧な表情を浮かべている。
「…私も、ルカのこと…
…す、好き…です。
こんな私で良ければ、お願いしますっ…」
ミクはたどたどしくも言葉を紡ぐ。
…つまり、これは喜んでも良いのだろうか?
「そ、それ本当…?」
「っ、当たり前だよっ」
嬉しさで涙が溢れた。
何とか声を出す。
「よろしくお願いしますっ…」