「「「ひゃあ〜落ちる〜!!!!」」」
「俺たちは『年貢の収め時』っていうやつになるのか………」
みんなはもう死ぬのかというような表情を浮かべながら勢いよく落ちていく…。
「っ!?」
「う、浮いてる!?」
「私たち生きてるのね!」
「一体何が……」
『くうっ……!!』
「りんご!?」
「な、何をしているんだよ!!」
『見ての通り…、落とさないように…してるだけですよ……』
「ムチャよ!!」
「4人を念力でなんとかするなんて…」
「集中をしないとまた、落ちます…」
「とりあえず、そのまま続行してくれ…しないと俺たち死ぬぞ…」
『わかってますよ……!!!』
私はなんとか4人を念力で頂上まで動かしきることができたけど、私はいつも以上に力を使っていたので少し、疲れていた。
「りんご、これを飲んで…」
『これ…キノコ汁…?』
「グレタの薬はほぼキノコだよ」
『凄いですね…では、いただきます。』
薬を飲むと「すぅー」っと疲れが取れていった。
『す、凄い…これだけで、こうなるとは…グレタの薬…恐るべしです。』
「フフ、そんなことないわよ」
「ベニオボロタケって結構いいね♪」
「ソニアの言う通りだぜ。ロクヒナタタケをシチューしたらむちゃくちゃ美味いもんな。」
『き、聞いたことのないキノコばっかりですね……;;』
「そうなの?旅人だから知ってるって思っていたけど…」
『たしかに私は旅人ですが…、まだ…旅をし始めたばかりなので……』
「そういえば、なんでここに来たんだ?」
『それは…』
「って!!私たちハンナを助けに行くとこだったよね!?」
「そ、そうだったな…急ぐぞ!!」
「りんご!!この先は……!?」
『何もないです…』
「わかった。急ぎましょう!!」
「えぇ!!」
「あぁ!!」
みんなは急いで向かって行った……。
『…私に何があったのかは、あまり言えはい…いつか、話すべきだけど…今はまだ待つべきだね……』
「おーい!!!」
「早くー!!!!」
『今、行きますっ!!!』
このとき、私も…知らない大事件が起こる運命の歯車が、再び動き始めたことを……。
>>28のつづき
「きゃ〜!!!」
「ハ、ハンナ!!!」
『っ!!な、何でですか…!?』
「ど、どうしたんだりんご!?」
そこにいたのは>>2のときのドラゴンが、ハンナを捕まえていた……。
『私が……倒したはずなのに……』
「なんだと!?」
「ジョゼ!!とにかく急ぐわよ!!」
「そうしないと…ハンナが…」
「死んじゃうよ!!」
『大丈夫…』
「「「「……?」」」」
『私が…ハンナを助けます!!!』
「りんごっ!!」
私は剣を出し、ドラゴンの弱点のところまで突っ走る。
「怖いよ…助けて…」
「ハンナ!!待ってろ…俺が今、助けてやるっ!!!」
「ジョゼ危険よ!!」
ジョゼはハンナを救い出すことしか考えていなかったので、ハンナのところまで、突っ走って行き、ジョゼが技をぶつける。
「ロクヒナタタケ!!」
「「「「………!?」」」」
私とジョゼ以外の全員が驚きの顔をして、「凄い」という空気になる。
『まさか…本当になるなんて…』
ジョゼの技はドラゴンに当たり、ハンナを解放するけど、距離が遠いので、キャッチは不可能と思った。
「ジョゼ〜!!」
「ハンナ〜!!」
「きゃ〜!!!」
ジョゼが「もう駄目だ……」と諦め切ったのを、私はチカラで止めた。
『はぁ…はぁ…』と息切れをして、倒れそうにもなりそうだったけど、第一の目的はなぜドラゴンが復活していたのかということについてである。
「ありがとうございます…勇者さん。私はハンナです……ちょっと怖かったですが、ジョゼがいてほっとしました。」
『私は安藤りんご。りんごでいいですよ。』
「いや、りんごさんと呼ばせてもらいますっ!!」
「そんなことより…」
「グオオオオォォォォ!!!!」
『ブチ切れか逆切れをしているドラゴンを倒さないといけませんね…;;』
「そうだな…」
「私たちも戦うわ!」
「そうだよ!!」
「わ、私も戦いますっ!!」
「俺も」
『ありがとうございますっ!!』
こうして、私たち6人はドラゴンに立ちはだかることになった。