私は着替えて、事務所を出ようとしていた。
「あれ、誰かいる……?」
レッスン室を通りかかると、明かりがついていて音楽も聞こえてくる。
「誰だろう?」
おもいきって、ドアを開けてみた。
「ふうっ……もう一度……!」
レッスン室に居たのは、空花だった。
「くーちゃん……?」
どうやら、自分で音楽をかけてダンスの練習をしているらしい。
「あの……まだ、帰らないの?」
「なずな……」
思わず話しかけてしまった。空花は私に気付くと、ラジカセの音楽を止めた。
「……私、もう少しだけこのダンスを練習したいの。先に帰ってても大丈夫だから」
「ねっしん、なんだね!」
「それは……」
私が言うと、空花はなんだか恥ずかしそうにしている。
「くーちゃん、私もいい?練習!」
「え、でも。なずなは時間が……」
「大丈夫!まだもんげんじゃないし」
そう言いつつも私は、ちらっと壁の時計を見た。
……まだ、時間はある。
「じゃ、じゃあ……一緒に、やる?」
「うん!」
その日は、門限ぎりぎりまでダンスの練習をつづけた……。
ううむ……喋り方はもっと抜けてた方がいいかも