「ねえ、ワタシの夢って、叶うのかな…」
マウの言葉に、あたしは頭をフル回転させた。
無難に、傷付けずに、マウを励ますには……。
「分かんないよ。先の事なんて、ぜんっぜん」
考えたのに、出てきたのはこの言葉。
「得意のオカルトや占いでも、分からない?」
あーあ、結局傷つけちゃった。
じゃあね、と急いでその場から逃げ出す。
マウに、向き合ってあげれなかった。
「ごめんね……」
情けなく涙を流すこと、数分。
「リオ、行こう!」
聞き慣れた、それでいて初めて聞いた声音で、ワコは言った。
行こう…うん!!
素直にそう思えるほどの力がある、ワコの優しく、力強い声。
「あのね、今、沢山がんばったら…時を旅する雲にのって、いつか夢に届くんだよ。頑張れば…その先の夢に、届くんだよ!」
ワコの、不器用だけど真っ直ぐな言葉を…マウに聴かせてあげよう。
ごめんね、って言葉も一緒に。
❰今回も私が書きました!今回、SSの募集はしません。また、そのうち募集するので、その時にはよろしくお願いします!❱