「好きだった」
土方さんの震えた声に、私は、ドキリとする。
なぜだろう。
もう、二度と会えないような気がして・・・。
「俺はここを死に場所と決めた。だから・・・」
私は、それを聞いて凍り付く。
ここ・・・函館で・・・。
凍りついた私に、土方さんは笑いかける。
「お前は帰れよ」
ついに始まった戦い。
出陣する彼の背中。
切ない気持ちがあとからあとから溢れてくる。
────絶対、帰ってくるよね・・・。
私は、不吉な予感を感じながら、そう願った。
「よし!私も出陣・・・」
装備はばっちり。
私は、ニコッと無理して笑った。
気持ちを伝えるまで死なない。
決意したそのとき。
タァン!
嫌な音が響いた。
そちらを見たとき、私の心臓は止まったようだった。
土方さんが撃たれ、馬から落ちていく。
ゆっくりとそれが見えた。
指の感覚すら失せ、私は走った。
自分でも何を叫んでいるかわからなくなったが、何かを叫んでいた。
シリアスラブ→ です!