海というものを理解した蛙はこう返した。 「なんだ、じゃあ海とやらに僕の居場所なんて無いじゃあないか。僕にはそんなところよりも、狭い井戸の中でげぇこげぇこ鳴き声を響かせてた方が気がいい。知らなくたってなあんにもも問題ないじゃないか」 創は驚いた。考えて見れば単純な話であった。