アーヤside
体を左右前後に揺さぶられながら、大声で叫ばれている状態でずっと寝てられる人っているかな。
もし居たら、その方法を私に伝授して欲しいんだけれど。
「……きて……おきてってば! お姉ちゃん!」
どうもこんにちは、私、立花彩です。
妹の奈子に、体を左右前後に揺さぶられながら、大声で叫ばれている状態。
もうかれこれ20分くらい。普通の子なら諦めると思うけど、奈子は粘り強いから、私を起こそうとずっと奮闘してる。
でも私にはどうしても起きたくない理由があるの。その理由はね、『 外まだが真っ暗だから。 』多分夜中の2時ぐらいだと思う。
近所迷惑になりかねないから、それから10分くらい立ってから奈子の相手をしようと腹決めて起きた。
「あ、お姉ちゃん起きた! ねえ、外見て外見て!」
外を見てと言っている奈子と裏腹に、私は時計を見る。2時半だった。つまり奈子は30分程の間、私を起こそうとしてたわけ……根気強すぎでしょ。
というか、奈子はなんで2時に起きてるの? そう思って奈子の方を見ると、奈子はさっきいた場所にはいなくて、窓のそばにいた。
「そろそろ寝ないと。で、外がどうした……の……」
息を飲んで、空からの贈り物を見つめる。
ふうわり、ふわり。そんな音がしてもおかしくないほどゆっくりと、その贈り物は私たちの元におりてきた。
そういえば、小林一茶さんがこんな句を書いてたよね。「美味そうな ゆきがふうわり ふわりかな」