少しずつ、視界が明瞭になっていく。
薄くだが見えたのは白一色の壁と床、そして椅子に座っている一人の女性だった。
「 御気分は宜しいでしょうか? 」
その女性は麗らかな笑みを浮かべながら、私に心配するかの様な声を掛けた。
一瞬たじろいでしまったが、直ぐに気になっていた事を聞き返す。
「 気分は悪くないんですけど、此処は一体何処なんですか? 」
トラックに轢かれて無事な人間なんていない、居たとしても大概は大怪我だ。
病室かとも思ったのだが、それにしては明らかに設備が足りない。
周りにあるのは女性の座っている椅子と私の座っている椅子の二つだけだ。
病室なら普通はカテーテルやベッドがある筈なのに全く見当たらない。
>トラックに轢かれて無事な人間なんていない、居たとしても大概は大怪我だ。
これ矛盾してる。大抵は死ぬか大怪我だみたいな感じでいい。
あと主人公が冷静すぎる気もする