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4:匿名:2020/05/28(木) 00:09

「よっと」

ストン、という軽快な音とともに、少年は地面に降り立った。

年は16か17といったところか。
15は越えていても、まだ20には届いていないだろう。

初夏の爽やかなそよ風が、彼の短髪と戯れるように、その薄い紫がかかった髪を舞い上げながら通り過ぎて行く。

気持ちの良い日差しだった。

快晴の空で輝く太陽は、その光を余すことなく地上に与えている。

今はまだ朝の早い時間であるから、外の気温も丁度良い。

しかしあと数時間もすれば、この太陽は空の真上にまで移動してしまうに違いない。

そうなると少し厄介だった。

いくら夏が始まったばかりだとはいえ、真昼の焼けつくような暑さはやはり避けたいものだからだ。

少年は、自分が暑さに弱いということをよく承知していた。

「面倒くさいけど、急がなくちゃ」

彼は辺りをさっと見回すと、背中の翼を素早く畳んだ。

この少年の背中には、純白の翼が生えていた。

彼の背丈のほとんど半分を占めるほどに大きな白鳥の翼である。


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