ニセモノドウシ。

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1:ちあ@ ◆NLsI:2014/02/18(火) 16:34 ID:zME



お久しぶりです。
ちあ@と申します。

この小説は、
後に某サイトで書く予定です。
その時に不完全な出来で公開してしまわないように、
今ここで書き、
推敲し、練り直していくために書くものです。



なので不完全な出来であることを初めにお詫び申し上げます。
書き終わり、
完全版をそちらのサイトで書き始められれば
そこのURL等をここに貼りますので、
是非そちらもご覧ください。

では。

「ニセモノドウシ。」

始めたいと思います。

2:ちあ@ ◆NLsI:2014/02/18(火) 16:36 ID:zME











*prologue*




彼は、友達。
私も、友達。




恋愛感情なんて、微塵もない。
はず、だった。












.

3:ちあ@ ◆NLsI:2014/02/18(火) 17:04 ID:zME







一章 






放課後の教室。
窓からは夕日が差し込み、反射し、室内をオレンジ色に染める。
そんな中響くのはカリカリ、とシャーペンで文字を綴る音。
と、外から聞こえる部活動の掛け声。
私、芹沢明希(せりざわ あき)はオレンジの校庭を眺める。
そこにはサッカー部や陸上部、野球部などが汗を流している姿。
そんな彼らを眺めながらふと思う。
好きな人が出来たら、どんな感じなんだろう、と。
中学二年生の私には、今まで好きな人ができたことがない。
彼氏がいたことは何回かあるけど
別に好きだったわけじゃなくて、告白されて断りづらかったから付き合っただけで
結局半年も持たずに別れた。
そんな恋愛と呼べないような恋愛をしてきた私だから、
多分これから先も同じように。
のらりくらりとした訳のわからない恋愛をしていくんだろう。
……コイツと同じように。






「…ふわぁぁ、週番めんどくせー。ねみー。部活行きてぇ」






目の前で豪快に大あくびを決めながら、
私と同じように校庭を見やる男の名前は浦田蓮(うらた れん)。
中学一年生になった瞬間に仲良くなって、
今じゃすっかり大親友な男。
コイツも自称初恋がまだな人種。






「浦田、私だってそうだよ。
 でも毎週誰かがやってるんだよ?
 今週が自分の番なだけじゃん」






週番の反省欄を書き終わった浦田は、
日誌を私の方に向けてだらーっと机に突っ伏す。
こんなのがモテるんだから、不思議な世の中だ。






週番は日誌を二人共が書き終わるまで原則として帰れない。
だから浦田は私が書き終わるまで待っていなければいけない。
そう思うと申し訳なくて、
ペンを進めるスピードが嫌でも早くなる。
そんな私を見て、浦田がふっと笑う。
その音、声に反応して顔を上げると、そこには笑顔の浦田がいた。






「そんな急がなくていいから。字、汚くなってるぞ」






「一言多いわ、馬鹿」






優しいんだか、意地悪なんだか。
わからない男だ。

4:ちあ@ ◆NLsI:2014/02/18(火) 17:25 ID:zME







でもその優しさらしきものに惹かれる女子が多いのも事実らしい。
たまに呼び出しを食らってるのを見る。
全部断ってるみたいだけど。
ふと窓の外を見ると、
手をつないで歩いている男女の姿がある。






「……ねぇ、浦田?」






先ほど「字が汚い」宣言をされたので
一度全部消して白紙の自分の反省欄とシャーペンの先っぽに目線を移しつぶやくように声をかける。
浦田が反省を書いていた時の私のように
オレンジ色の校庭を見つめていた浦田が「ん?」と返事をした。
その顔は、多分他の男子より格好いい。






黒髪なのに厳しい印象にならないのは顔が華やかだからだろう。
切れ長の目。瞳は真っ黒で引き込まれそうな色。
高めの鼻は存在感を主張。
不思議そうに端を曲げた唇は薄く綺麗。
整いを隠せない顔を締めくくるのはこれまた綺麗な輪郭。
この顔にお熱になる女子の気持ちもわからなくもない。






「なに?明希」





名前を呼んだっきり黙り込んだ私の顔を覗き込む浦田。
整った顔が近くにある。
不覚にもそれにときめく。
もちろん、恋愛感情は抜きとして。






「んー…、あのさ、浦田。
 恋ってどんな感じなんだろうね。
 付き合うってどんな感じなんだろうね」






「はっ?」






ふと湧いて出た疑問を浦田にぶつけてみたけど
やっぱりわからないと思う。
だってコイツだって自称初恋がまだの人間だし。
聞く相手を間違ったと思い、この話を振ったことを謝ろうと口を開く。






「ごめん、浦田にもわからんよね。こんなこと聞いて、ごめ――」






「――わからないんなら、俺とちゃんと付き合ってみる?」

5:ちあ@ ◆NLsI:2014/02/18(火) 17:28 ID:zME



*訂正*


「――わからないんなら、俺とちゃんと付き合ってみる?」






「はっ?」






先ほどの浦田と同じセリフを、今度は私が復唱してしまった。

6:ちあ@ ◆NLsI:2014/02/19(水) 19:03 ID:zME







「いやいや、なに言ってんの?」






突然の言葉にびっくりして、浦田の顔を覗き込む。
ふざけているのかとも思ったけど、
彼の顔は真剣味を帯びていてふざけているようには見えない。






「いや、付き合うってどんな感じなのかな、とか言ったから。
 俺と付き合ってみる?って」






いやいや、付き合ってみる?って…。
軽すぎでしょ、浦田君。
そりゃ確かにコイツはモテるし、
女の子の扱いには慣れてるだろうし、
付き合うことにも慣れてるんだろうけど。
でも初恋がまだのコイツと付き合っても
恋のなんたるものかがわかるような気はしない。
…でも。
今日の休み時間に凛羽(りう)と話したことを思い出す。












「え、明希彼氏いないの!?」






中学二年生に上がってから知り合って、仲良くなった友達の凛羽が私の机の前で叫ぶ。
茶色がかった凛羽のショートヘアが勢いよく揺れた。






「ちょ、凛羽!声大きいよ」






凛羽は自分の桜色をした唇に手を当てると、
小声でごめんごめんと謝る。
大きな目をパチパチさせながら謝る美少女を許さないわけにはいかない。
いいよ、と微笑むと凛羽は笑顔を取り戻した。






「…でもさ、本当に彼氏いないの?明希、結構モテるのに」





先ほどのやり取りのおかげか、凛羽は小さな声で話を再開させる。
それに合わせて私も小さな声で返答。






「いないよ。ていうかモテないし。
 凛羽に言われたら嫌味にしか聞こえないよ」






私が男だったら確実に惹かれる容姿を凛羽は持っている。
一言で言えば、可愛い。
そんな凛羽にモテると言われても
嫌味にしか聞こえないというのは正しいことだと思う。






「えー…、でもさ。
 中二で彼氏いないのはちょっとあれだよ?」












凛羽が言葉を発した瞬間に予鈴が鳴った。
急いで席に戻る凛羽を見ながら、
凛羽の言葉が頭の中こだましてたっけ。






私は、浦田のことを異性としてみていない。
友達だと思ってる。
だけど、彼氏がいないのはおかしいらしい。
ならいっそ、ここで少し普通の道を外れてみるのもいいかもしれない。






「……そうだね、いいよ。付き合おうか」






気づいたらその言葉が口から滑り出していた。

7:ちあ@ ◆NLsI:2014/02/20(木) 18:44 ID:zME













「明希!蓮君もう来てるわよ!
 早くしなさい!」






あの日から、早二ヶ月。
私と浦田は付き合い始め、毎朝の登校から夕方の下校までほとんど行動と共にしていた。
移動教室は私は凛羽と移動するけど。
それでも前よりも一緒にいることの増えた私たちの交際は瞬く間にクラス中に広まってしまった。
私に向けられる視線は女子からの妬みのものだったけど
別に前からそうだったからあまり気にしない。
付き合ってもなんにも変わらないような私たち。
変わったことといえば、
休みの日に二人で出かける時の雰囲気くらい。






「はぁーい!ちょっと待って!」






制服を正して、バッグを肩にかける。
あの時より少し伸びた髪の毛が胸元で揺れる。
浦田と何故かお揃いで買ったネックレスを首に通したのを確認すると階段を駆け降りた。






「お待たせ、浦田」






「だから、いい加減名字呼びやめろって。
 俺等一応とはいえ付き合ってんだから」






開口一番に何故か名字呼びを正された。
いつものことだけど、
名字呼びをやめなきゃいけない理由が見つからない。
だからいつもどおり。












浦田と付き合ったことを報告した時、
凛羽は叫んだ。
いつの間に、とか。
なんで、とか。
好きなの、とか。
とりあえず叫びながら質問攻めにされた。
けど、なんかすごい喜んでくれてすごいいい友達を持ったな、って思えた。

8:ちあ@ ◆NLsI:2014/02/23(日) 12:11 ID:zME








私と浦田の三ヶ月記念日。
私たちはカップルでこなすような行事をとりあえず全てこなすと決めていた。
だから、今日は二人でデート。
別に浦田のことが好きで付き合ったわけではないし、
浦田だってそうなんだから、
ちゃんとお洒落して行く意味はないんだけど。
だからって初デートにジャージで行こうとしたらお母さんに怒られた経験があるから、
一応ちゃんとお洒落はしていかなくちゃいけない。っぽい。






今日の服装は、
残暑のある十月という季節を考えて、
白いブラウスの上に茶色のサロペットスカート。
黒いオーバーニーソックスに、茶色のパンプス。
とかした黒髪の上には茶色のベレー帽。重心を右に傾けてあるところがお洒落。らしい。
コーディネートは全てお母さん。
私は着せ替え人形状態だった、これ実話。












「ごめん、浦田!待った?」






待ち合わせ場所である家の近くの公園に駆け込むと、浦田はもうすでに来ていた。
ジャングルジムに体重を預けて、携帯をいじる浦田。
白いシャツの上に茶色のジャケット、ジーパン、
茶色の革靴の浦田は悔しいけど格好いい。
シンプルカジュアルイケメン男子とはこれのことを言うんだろうと納得してしまう。
笑顔で「待ってない」と言うと体を起こして、こっちに歩いてくる。






「んじゃ、行きますか」






三ヶ月記念デート、スタートです。

9:まろん:2014/03/14(金) 19:53 ID:8YM

更新まってます。

10:ちあ@◆y6:2014/05/12(月) 15:57 ID:zME







お久しぶりです。
アクセス禁止に巻き込まれており更新できませんでした。
パソコンが壊れかけていることもあり更新速度は以前より格段に落ちますが…。
一週間に一度くらいは更新したい…です。

11:ちあ@◆y6:2014/05/12(月) 16:15 ID:zME







もちろんなんの計画も立てずにデートするほど浦田は馬鹿じゃない。
デートプランを決めるのはいつも浦田だけど、
プランがなかったことなんて一回もない。
映画館しかり、動物園しかり、遊園地しかり、水族館しかり。
行く場所からすることの大まかな計画まで。
こういうところは浦田を本気で尊敬できる。
今日のプランは少し遠出。
記念日デートということで何か買おうと駅前デート。
もう既に一ヶ月記念日にネックレス買ってるからいいじゃん、とか思ったのは内緒。












「ちょ、これ可愛い!欲しい!」






ファンシーショップに並ぶ商品を見て私はテンションがマックス。
ピアスにイヤリング、ネックレスにチョーカー。
ピンキーリングにブレスレットにキーホルダー。
どれもこれも女の子の趣味をくすぐる可愛らしいデザイン。
あ、やばい。
全部欲しくなってきた。






「なに、これ欲しいの?」






私が手に取ったピンキーリングを覗き込む浦田。
シンプルなシルバーデザインのリング。
同じ色のハートの型の中にピンク色の石が埋め込まれている。
シンプルなのに可愛らしくて、私の好みどストライク。






「うん、これ欲しい。めっちゃ可愛い」






自然と口からその言葉が出ていた。
もちろん、自腹。
買ってくる、と言いながら財布を取り出そうとしていると、
リングが私の手からなくなった。
行き先を探すと、浦田の手の中。
もう片方の手には既に財布が握られている。






「これ色違いあったよな?青のやつ」






浦田はそう言いながらリングのコーナーから色違いのリングを取ると、
それを私の手の中に収めた。
訳が分からずいると、浦田の王子様スマイル(学校の女子がそう言ってるだけ)が炸裂した。






「俺が明希の分買うから、明希は俺の分買って。
 んで、あとで交換しよーぜ」






「あ…、うん?」






突然のことに訳も分からず頷くと、
満足そうに浦田はレジに歩いて行った。
その後ろに私もついていく。
お互いがお互いのリングを買い終わると、一旦店を出て外の公園に落ち着いた。

12:ちあ@◆y6:2014/06/14(土) 15:08 ID:pwo








「ん、さっきのリング」






公園のベンチに腰掛けて、数分後。
少し汗ばんだ額にはりつく前髪を浮かせていた私に差し出された小さな袋。
私のカバンにも入っている袋と同じデザインの袋を受け取ると、
「俺の分頂戴」と急かされて同じデザインの袋を渡す。
同時に封を切ると、中からお互いの色違いのリングが手のひらに転がりでる。
うん、やっぱ可愛い。






「中学だと付けてらんねーのが残念だな」






と言いながらハハッと笑う浦田。
普通に格好いい。







「じゃあキーホルダーにすればよくない? 
 売ってるじゃん、そーゆーの」






私の提案は可決?され、
そのあと駅前での創作活動の末、なんとかに手に入ったそれに通したリングが
次の日の私のスクールバッグについていた。
そして、浦田のスクールバッグにも。

13:ちあ@◆y6:2014/07/11(金) 21:04 ID:zME













中学二年生、冬。
十二月。













.

14:ちあ@◆y6:2014/07/11(金) 21:12 ID:zME













「おはよ、明希」






三ヶ月デートから更に二ヶ月が経過して、季節は完全なる冬。
今にも雪が降りだしそうな気温と空。
吐く息は、真っ白。
浦田は紺色のチェック柄マフラーを首に巻き、
その中に首をすぼめながら私に挨拶をする。
おはよう、と返す私もピンク色のチェック柄マフラーを口元まで引っ張り上げた。
それでも空気に直に触れる部分が冷たく、チリチリ痛む。






最近は寒いから、という理由から手をつなぐようにもなった。
確かにあったかいけど、少し気恥ずかしい。
今日も浦田は自然に私の左手を握った。












十二月中半というのはもう少ししたら冬休み、
でもまだ冬休みには遠い、という何とも言えない時期。
そんな季節に、私は何かが変わる気配を感じた。









.

15:ちあ◆y6:2014/08/11(月) 14:25 ID:xPI







私達はいつの間にか、
「校内の有名カップル」とかいうものになっていた。
別に人目につくところでいちゃいちゃしているとかではないし、
言ってみればキスだってまだしていない。
登下校を一緒にしている、たまにデートしている。
それだけの私達が何故有名カップルの烙印を押されているのか不思議でしかたない。






「明希ー!おはよー!」






浦田と付き合いだしてから、女子に遠巻きにされることがさらに増えた私に
今まで通り接してくれる数少ない友達の凛羽が
教室に飛び込むと同時に私の席に走ってきた。






「あ、おはよう凛羽。どうしたの?」






いつもになく笑顔で走ってくる凛羽を見て問いかけると、
「どうもしないよ?私は!」という
意味の分からない返事が返ってきた。






「私は?」






「うん!明希のことだよ!」






私の事?
誕生日でもないし、親の誕生日とかでももちろんない。
他になにか喜ぶべきことがあったかな、と思考していると、
凛羽は痺れを切らしたように言った。






「ほら!今日十三日だよ!五ヵ月記念日でしょ!」






自分のことのように興奮しながら言う凛羽。
「あ」と漏らした私の口はふさがらなかった。

16:ちあ@◆y6:2014/08/28(木) 18:34 ID:8/k






そうだ。
今日は十二月十三日。
私が浦田と付き合い始めて、五ヶ月目。
……こんなに続いたのは、初めてだ。
今までは長くて三カ月。短いと一カ月もたなかったり。
それに、途中から付き合ってるって言うことが嫌になったりもしてたのに。
今回は、
浦田と付き合ってるって言うこと、嫌じゃない。
なんで、だろう?






「あ、浦田きた!」





凜羽が教室の入り口を指差して言う。
私はそれを見ると、
思わず顔を赤く染めた。






「おはよ、浦田」






「うん、おはよう明希」






微笑み合いながらあいさつを交わす。
私も人の事言えないけど、
浦田覚えてないんじゃない……?






そう思っていたのもつかの間。
浦田は私の近くに来ると、耳元で。
「今日放課後、開けとけよ」
囁くように言った。






「ちょ、耳元はやめれ恥ずかしいから! 
 でもわかった。開けとく」





そう返事をすると浦田はにかっと笑い、
後ろ手に手を振りながら男子の輪の中に消えていった。
私の胸には、今まで感じたことのないような感情が広がっていた。

17:にっきー:2014/09/09(火) 19:53 ID:bEQ

タイトルに惹かれ見させてもらいましたが、
面白いです。

改行がすごく読みやすかったです。


これからどうなっていくのか楽しみです。
私もちあさんみたいな才能がほしいくらいです!(^^)

描写が上手なので参考にさせてもらいます。

では、頑張ってください

18:ちあ@◆y6:2014/09/13(土) 17:23 ID:oHU



>>17


はじめまして。
ありがとうございます!


この作品、私的には心理描写しかなく、
情景描写が足りないと思っていた矢先のコメントですのでうれしくてたまりません。


これからも執筆活動を頑張らせていただきますので、
またお目に書かれることを楽しみにしております。

19:ちあ@◆y6:2014/09/13(土) 17:40 ID:oHU













空には次第にオレンジが滲み始める放課後。
私は浦田のことを教室で待っていた。
アイツは人には放課後開けろとか言ったくせに
自分は何故だか「遅れる」旨のメッセージをよこして教室を飛び出て行った。


浦田の考えていることは、いつも読めない。


読めないところが浦田らしくてまたいい所でもあるけれど、
あまり読めないと少し怖くなってくる。


はぁ、とため息をつきながら外を見ると、
部活動に精を出しているサッカー部の人が目に入る。
サッカー部の練習着に身を包み走り込みをしている。
流れる汗までもがキラキラと光っていて、
これこそ青春なんだろうなぁなんて思わされるくらい輝いている。


昔の人は「キラキラして青みたいな時間」のことを青春って呼んだみたい。
私の青春は何色なのかな。
青なのかもしれないし、緑かも知れないし、赤かもしれない。
もしかしたら誰かの色に染まるかもしれない。
……誰かって、誰だ?
いや、今はいない。
きっとこれから先に出会う、運命の人の色。








考え事をしていた時、
手の中の携帯が震えた。
バイブ音が耳に低く響き、少しだけゾクッとした。
流行りの緑色の某アプリに浦田からのメッセージが届く。




『今正門のところいる
 教室にいる?』



「うん」とだけ返せば、何故か既読無視をお見舞いされた。
透明なガラスを通して見る空はオレンジ色に変わりきっていて。
「どんだけ待たせるんだよ」なんて呟きながら窓ガラスに寄りかかる。
頭をぐるりと回して正門の方向を見れば、
走って昇降口に向かってくる制服姿の浦田を視界に捉えた。


















あれ?
なんか、格好いい。

20:ちあ@◆y6:2014/09/13(土) 18:32 ID:oHU







いやいや、何を考えているんだ私は。
格好いいわけない。
あの、あの浦田が格好いいなんてことになったら……。
私も浦田を見てキャアキャアいってる女子を同類じゃないか。


格好いいわけない。


もう一度そう言い聞かせて、正門から走ってくる浦田に目を向けた。






瞬間、ドキンと高鳴る鼓動。


はい?
なんで今私、ドキンなんて感じた?
いやいや、そんな訳ない。
なんて思いながらさっき振動を発した場所に手をあてる。
ドキン、ドキン。
未だに高鳴り続ける鼓動。


私、浦田にドキドキしてる……?


なんで?
さっきのサッカー部の人のほうが断然、格好いいじゃん。


汗流して、部活がんばって、青春って感じの。
あの人のほうが格好いいのに。
私のために、汗流して走る浦田のほうが
格好いいなんて、私頭おかしくなったのかな。


心なしか、顔も熱い。
自分の事が理解できない私を置いて、時間はどんどん進む。
火照った頬に手を当てていれば、
突然空気を切り裂くように扉がスパンと開けられた。

21:にっきー:2014/09/13(土) 20:06 ID:e/E

つ、ついに浦田にドキドキし始めたんですね!

これからが楽しみです。
情景描写難しいですよね・・。

私も小説書いてるんですけど見てもらえますか?



お互い頑張りましょうね^ - ^

22:ちあ@◆y6:2014/09/14(日) 16:24 ID:oHU



>>21

しはじめました!w

ありがとうございます!
そうなんですよねー…。
それだけ、となればできるんですけど…w

もちろんですよ。
題名を言ってくだされば、読ませていただきます(*^^)


はい!頑張りましょう!

23:にっきー:2014/09/14(日) 16:53 ID:vZo

本当ですか?

翼ー私達はいつだって飛んでいける



君の隣で です

ありがとうございます!

24:ちあ@◆y6:2014/09/14(日) 16:54 ID:oHU









「わっりぃ! 待った!?」






「だいぶ待ったわアホ」






息を切らして教室に駆け込んでくる浦田に
シラーっとした目を向けてやる。
「すまんすまん」と気の入らない謝罪をされ、
「仕方ないな」と気の入らない声で許してあげると、
浦田は屈託のない笑顔で笑う。






チッ、チッ、チッ、と時計が時を刻む音だけが教室に響く。
浦田ははいって来てから一言も発さずに、
窓際の私の席に座った。
私は変わらず窓際にもたれかかっている。


浦田の顔は心なしか赤く、息もまだ整っていない。
そんな状態の浦田に無理に用件を問いただすほど私も悪魔ではない。
浦田のことはそのままに、
部活動終了間際で片付けに入っている運動部の人を眺める。
たくさん汗をかいて、
とても疲れている様子。








ゆっくりと流れる時間が鼓動を急がせる。
ふと浦田に目を向けると、
整い始めた息遣いが、見えるように、手に取るように伝わってくる。
季節は冬だと言うのに、
乱れた前髪からは少量の汗が滴り、
軽く袖をまくっている姿が目に入る。
次の瞬間、
鼓動は急ぐ、というレベルを超えて激しく動き始めた。






「なぁ、明希?」






浦田の低い声が、耳に響く。
ドキン、ドキン、なんて。
心臓、煩い。

25:ちあ@◆y6:2014/09/14(日) 16:55 ID:oHU



>>23


もちろんです。
一度には読めないので、
二つともに目を通して更新の多いほうから読ませていただきますね。

26:にっきー:2014/09/14(日) 16:57 ID:vZo

ありがとうございます。

厳しくお願いします!笑


お互い頑張りましょうね!

27:ちあ@◆y6:2014/09/16(火) 18:08 ID:oHU



>>26

厳しくだなんてそんな…。
私なんかが上から物を言える立場ではありませんよ。


はい!
にっきー様、これからもがんばってくださいね。
私も頑張らせていただきます。

28:ちあ@◆y6:2014/09/16(火) 18:22 ID:oHU







「なに、」






心臓はおさまらず、煩く陽動を続ける。
鼓動の振動とともに視界も軽く揺れ、
それが理由の分からない緊張をあらわす。


浦田の顔を見てると、余計に心臓が激しくなって。
長い睫毛がふわりと揺れれば、ドキンと高鳴って。
艶のある唇が動かされれば、ドキンと高鳴って。
男の子にしては長い髪の毛を耳の上にかきあげれば、ドキンと高鳴って。


待って。
私、浦田にドキドキしてる。


――なんで?
今まで浦田といてもなんともなかったはずなのに。
なんで今は、こんなにドキドキしてるんだろう。












「俺さ、五か月も続いたの明希が初めてだわ」






突然、浦田が声を発する。


『明希』。
名前を呼ばれると、顔が少し熱くなるのを感じる。
冷たいけれどどこか柔らかい風が頬をかすめて、
それが時間の経過と私の火照りを知らせてくれた。






「私も、初めて」






ポツリと呟くように言えば、
浦田はなぜか少し嬉しそうな顔をして。
ポケットの中をごそごそと探る。






「ん」






一言、それだけ呟くと浦田から何かを投げられる。
不思議に思ってキャッチしたそれを見た。



女の子趣味の、ファンシーショップの小さな袋。
「開けろ」、というような視線を受けてゆっくりを開封する。
中からは、小さな小さな花の形をしたイヤリングが転がり出た。






「それ五カ月記念のプレゼント。大事にしろよな」






真ん中に金色の石のはめ込まれた銀色の花。
それが何をあらわすのかは、
それがどんな気持ちを表すのかは、
私はまだわからない。

29:にっきー:2014/09/20(土) 19:22 ID:rWQ

私ちあさんの改行好きです笑

凄く読みやすいので参考にさせてもらいます!

はい。お互い頑張りましょう!

翼の方もよかったら見てください。
君の隣ではもうダメなので。


では、更新楽しみにしてます

30:ちあ@◆y6:2014/09/21(日) 13:23 ID:AUI



>>29


わぁ、ありがとうございます(*^^)


わかりました、
あまり時間がないので遅くなるかもしれませんが…。
必ず読ませていただきます。

31:ちあ@◆y6:2014/09/21(日) 13:48 ID:AUI







学校だから校則違反になることは分かっているけど、
浦田にもらったことが何故だか凄く嬉しくて。
とりあえず耳につけてみる。
銀色の花。
花の下の部分から、シャラリと小さな花の連なった可愛らしい金具がでていて。
可愛い。すんごく可愛い。
私の趣味を良く理解している浦田だからこそのチョイスだろう。


耳の下で揺れ、涼しげな音を立てる。


なんだか、ドキドキして。
顔が赤くなって、風に冷やされて、でも火照って。
やばい、こんなの初めてだ。






「似合ってんじゃん。明希」






浦田が「にしし」というような効果音が似合いそうな笑顔で笑う。
思わず頭をわしゃわしゃっと撫でたくなったけど、
やったら怒られると思うから我慢。
「ありがと」とぼそっと呟けば、
逆に頭を軽く撫でられる。


てか。
私もらってばっか。
それに、今日だって。
なんにも用意してなかったよ。
だって気付いたの今日の朝だし。







「……私、今日何も用意してない」






正直にいえば、
浦田がにっこり笑う。
……いや、なんで?







「明希が、俺にちゅーしてくれたらいい」







「は?」







そして、爆弾を投下した。
にっこりと笑う浦田の表情は、さっきと変っていない。

32:ちあ@◆y6:2014/11/10(月) 17:54 ID:iZ2









.







「ちょ……? なに、言ってんのさ浦田、」








戸惑いを隠せない私を真剣な目で見据える浦田。
その目には迷いもからかいも少しも見えなくて。
本気で言ってるのだ、と瞬時に理解する。



ふわりと吹いた生温かい風が私達の髪の毛を小さく揺らして、それから頬を撫でる。
髪の毛が触れてくすぐったい。


沈黙、そう表現するのが適切な時間が流れる。
風の音や時計の針が時間を刻む音だけが、空気を裂いて。
小さな体の動きさえもはばかられる、そんな空気。
それは斬ったのは、浦田の声だった。








「…、わりぃ」







申し訳なさそうに、本当に言ったことを後悔しているような声色。
それを聞いて私は思わず、かわいた声を出しそうになって。
でも、あ、とかそんな声しか出なくて。
そんな私を見て浦田はひとつだけため息をついたかと思えば頭を掻いた。








「……今のは、忘れろ。
 悪かった」







逃げるように私に背を向けた浦田の背中は、小さく見えた。

33:にっきー:2014/11/10(月) 21:19 ID:1Lo

久しぶりです!
更新待ってました!!

なんかいい感じですね!
こういうの読んでてすごくドキドキする!!

さすがですね!
才能を分けてほしいくらいです!
見習いたい!

これからもがんばってくださいね!

34:にっきー:2014/11/10(月) 21:20 ID:1Lo

それとよかったらでいいんですけど

フリートークで話しませんか??

35:ちあ@◆y6:2014/12/19(金) 22:11 ID:iZ2







――ズキン、と胸が痛んだ気がした。


そんなはずはないのに。
浦田の背中に胸が高鳴って、それからぎゅって痛いくらいに締め付けられた。


どうしようもなく「待って」と叫びたいけれど何故か口が拒否する。
帰るぞ、なんていう浦田引き留めたくて、でもその術がなくて。
もどかしい。苦しい。


これは、いったい何なの?
感じたことがない気持ちが胸の奥を支配している。
なんだか怖い。怖いのに。
どこかふわふわしていて、気持ちがいい。









「ほら明希、早く。俺もう寒ぃから早く帰りてぇの」







乱暴な言葉だし。
言ってることは自分優先だし。
顔はしかめっ面だし。


…なんで、私。
こんな奴にドキドキしてんの。








「うるっさいな! 分かってるからちょっと待って!」







ドキドキなんてしてない。
してないんだから。


そう自分に言い聞かせるように頭の中で繰り返して、おいてあったカバンを肩にかけた。

36:ちあ@◆y6:2014/12/29(月) 13:59 ID:iZ2










前を歩く浦田の背中は、何故か小さくて、それから寂しそうで。
歩くたびに私の胸まで痛みが増す。
本当に、おかしい。
こんな感情、私知らない。






「……浦田」


「あ? あんだよ?」


「ちょっと、聞きたいんだけど」







浦田に聞きたいことなんて、いっぱいある。
いっぱいあるけど、そのうちの一つだけ聞くね。
浦田には関係ないことかもだし、迷惑かもだし、知らねぇよって言われるかもだけど。
聞いて、みるね。







「私が、浦田のこと好きになったらどうする?」







この関係は、所詮作りもの。ニセモノ。
浦田は私の事なんとも思ってないし、私だって思ってなかった。
でもそれが、片方だけの感情が変わってしまった時。
この関係はどうなるんだろう。


やっぱり終わってしまうんだろうか。
そう考えると、なんだか胸が締め付けられて。
こんなときにちゃんと自覚する。
「あぁ、私浦田のことが好きなんだ」って、はっきりと分かってしまう。








「…知らね。その時はその時だろ。
 今は何とも言えねぇし、そんなありもしねぇ可能性見たって仕様がねぇだろ」



「私は、」








息を吸い込む。
真冬の空気が、喉を凍らせるような感覚。
だけど不思議と、浦田といるっていう事実がそんなことを感じさせないくらいあったかい。








「もし浦田が本気になっても、この関係続けると思う」









だって、もう私が本気になっちゃったんだから。

37:ちあ@◆y6:2014/12/30(火) 14:56 ID:iZ2















「…は、なんでだよ? 普通こういう関係って片方でも本気になったら終わるだろ」


「そうだね。…でもやめないよ。私はそうなっても浦田のそばにいる」


「…まるで告白じゃねーか。そういうこと言ってっとさぁ」










トンッと小さな音がして、すぐ目の前に浦田の顔が来た。
遅れて背中に伝わった冷たい壁の感触と、ひんやりと冷たい首筋。
耳に掠る、浦田の筋肉質な腕。


ふっと自分の意識がトリップしていた感じがあって、
それから戻ってきた意識で今の状況を理解する。
壁ドン、なのかな。これ。
そこまで理解したところでこつんという小さな音が耳を介さずダイレクトに脳に響いた。
グンッと近くなった浦田の額と私の額が軽くぶつかって。
浦田の吐息が自分の唇にもかかった瞬間、胸の奥がドクンッと激しく音を立てた。


ぶつかった額がゆっくり離れて。
その代わりに、体と体の距離がまた近くなる。
気付けば浦田の顔は私の耳の横に来ていた。








「…俺バカだから、勘違いすんだよ」








耳元で囁いてから、逆側の髪の毛をサラリと触る浦田。
ひとつひとつの動作が妙に艶っぽくて
ゾクリとした悪寒と、ジワリとした熱さが同時に襲ってくる。
なにも言えずにパクパクとだけ動く私の口がもどかしくて仕方ない。








「…なんか言えよ。なんか言わねぇと、」








キスすんぞ。


そう囁いた浦田の声はいつも以上に低くて、艶っぽくて。
脳内に妖艶に響いた。

38:ちあ@◆y6:2015/01/05(月) 13:38 ID:iZ2









思わずいいよ、と口から滑りだしそうになる。
隠さなきゃいけない気持ちが漏れ出しそうになって、慌てて口をつぐんだ。


別にキスされたっていい。
むしろ、されたいなんて。








「黙ってんのはずりぃだろ。無言はしてもいいってことだと受け取るけど」








こんなに近いのに、しようと思えばすぐにできるのに。
浦田は額をくっつけたまま止まっていて。
私の意思を尊重しようとしてくれているのが分かる。
そんなところにも浦田の優しさが表れていて。
こんな状況でなんだか嬉しくなった。


少しだけ緩む頬に目ざとく反応した浦田が眉根を寄せる。
それから低めの声で囁く。








「何笑ってんの」


「…なんでだろ、浦田が優しいからかな」


「バカじゃねーの。お前の気持ち無視してキスしようとしてる男が優しいのかよ」


「無視してないじゃん。待っててくれてる」









もう一度、さっきよりも大きく緩んだ頬。
浦田は小さく笑いながら息を吐き出す。
わざとか否か、耳に触れるように髪を梳かす浦田の手に
中学生とは思えない色気、というかなんというか。
あぁもうやばい。
心臓が破裂しそうだ。








「…で、なんなの。結局キスしていいわけ? ダメなわけ?」







ゾクリとするような甘い声が耳から侵入して脳内に響く。
いつの間にか耳元に立てられていた肘がさっきからかすかに耳に触れていて。
唇が触れるまで、あと数センチ。

39:生狐。 ◆Oo &:2015/01/05(月) 13:55 ID:YzM


はじまして..!
壁ドンいいですね((*´∨`*)!

続きが気になります!
情景描写が綺麗で心理描写もしっかりと書いてありとてもおもしろいです!!

40:ちあ@◆y6:2015/01/05(月) 18:13 ID:iZ2



>>39

はじめまして!
壁ドン好きです*

そんなに褒めていただいて…恥ずかしいですねなんかw
続きは亀更新ですが、ちょくちょく更新していきます。

41:ちあ@◆y6:2015/02/01(日) 22:54 ID:iZ2













いいよ。ダメだよ。
…どっちの言葉を選べばいいのか、わからない。
わからなくて黙っていれば、ほら、もうすぐ唇が、触れる。






「…だから、なんか言えって」






酸素を失った魚が、酸素を欲して喘ぐように。
私は口から出すべき言葉を探して、パクパクと口を動かす。
何か言葉を発しようとする意思をくみ取ったように浦田は口をつぐんだ。
見計らうように、私は脳内で思考を開始する。


私は、浦田に。
キスされてもいいと思ってる。
それはきっと浦田が好きだからで、それは自覚している。
だけど、だけどそれを言ってしまえば。
さっきの浦田の発言からして、私達の関係は終わってしまう。
それは、嫌だ。


だけどだからと言って、ダメだと言えば。
それは私が浦田を拒絶したことになってしまって。
それはそれで、関係がぎこちなくなってしまう気がする。


ダメだ。考えれば考えるほど、どうしたらいいのか分からない。
そうこうしてるうちにどんどん時間は流れて。







「…だぁぁ、お前早くなんか言えっつんだよもう!!」







浦田が突然、怒鳴るように言って。
私から体を離した。


やばい、やってしまった。怒らせた?
どうしよう、どうしよう。


焦った狼狽の色が浦田に見えないように。
離れた浦田の顔をしっかりと見据えた。…と、






――ちゅっ、と小さなリップ音。








「…スキあり、ってな」








鼻の頭に、柔らかい感触。


…鼻に、キス、された?

42:ちあ@◆y6:2015/03/07(土) 13:59 ID:4jU









じわり、体の芯が熱を上げた。
頬が火照る感じがして、頬を撫でる風が異常に冷たく感じた。






「な、ななな、なにして、」


「鼻にキスした。お前がなんもいわねぇからどうしようかと思って」







さらりととんでもないことを言う浦田。
ふわふわ、頭の中身が浮いているような、浮ついた感覚。
バカ、じゃないの。
そう口から出た声もどこか掠れている。







「…嫌だったなら、すまん」






――嫌じゃ、なかった。


恥ずかしかったけど、嫌じゃ、なかったんだ。
だけどそれを言うことができなくて。
別に、とか。可愛げのない返事をして。
熱くて火照ってて、とにかく見せられるようなものじゃない頬を手で覆った。


くるり、私が背を向ける。
向けたところで目線の先は窓の外だからなにも意味はないし、
むしろ帰りにくくなっただけなのだけど。


私が背を向けたからか、浦田も背を向けたような、スリッパが床をこする音がした。
その音を待っていたかのように私はまた振り返って、そばに置いてあった鞄を手に取る。
浦田の背中を追いかけて、追いついて。
…コイツが本気でさっさと歩いていたら、追いつけるわけなんて無い。


さりげない、不器用でヘタクソな優しさが素直にうれしかった。

43:ちあ@◆y6:2015/03/14(土) 12:16 ID:4jU





http://s.maho.jp/book/c0d8d3jebbb0bc71/6960560250/

魔法のiらんど様にて、ニセモノドウシ。です。


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