命のままに。

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1:キメラ:2015/08/15(土) 19:24 ID:ZRo

ねぇ、幸助。
 
今まで、一緒にいてくれてありがとう。

私さ、幸助の事大好きだったよ。

あの夏の日、アスファルトの地面を見下ろしていた私に。

あなたは教えてくれた。

命の輝きを。

生きる幸せを。

2:キメラ:2015/08/15(土) 19:28 ID:ZRo

『反抗期と思春期』

中学3年生。
受験もある、この学年。
だからかは知らないけれど、私はやっぱりピリピリしていた。

3:キメラ:2015/08/15(土) 20:23 ID:ZRo

「なぁ、あぐり。お前また今回のテストも学年2位だったんだって?」
兄のそんな声に、私、二ノ瀬あぐりは体をこわばらせた。
「兄貴……」
「いい加減、お兄ちゃんって呼べよ」
「今更キモイし、嫌だ」
私がそういったところで、レトルトカレーの甘酸っぱいにおいがリビングに広がる。
私の前に、カレーを置きながら、兄は続けた。
「まぁ、いいけどさ。っていうか、母さん言ってたぞ。何であぐりは毎回進歩がないんだって」
「……」
無言になる私。
そんな私など気にも留めず、ぺらぺらと弁論会の出場者の様に話し続ける兄に、私は正直いらっとした。
「とりあえずさ、お前、もうちょっと本気出した方がいいぞ。じゃないと、もっとお前は差別されてくるし」
そこまで兄が言ったところで、私は持っていたスプーンを思い切りテーブルに叩きつけた。
そんな私にぎょっとする兄。
私の体は、怒りで震えていた。
「……ぃい加減にしてよ……。私と兄貴は別の人間だし、勉強する環境も違うんだから、成績が違うのは当たり前でしょ!?何でそんなことも解らないの!!?」
「お、お前。ちょっと落ちつ……」
「うるさいっ!!それに、1位と2位って大した差もないのに、何でこんなことであんたと私を比べられなきゃいけないの!?意味わかんない!!!」
兄はもはや無言になっていた。
それはそうだろう。生まれて初めて、私が口答えしたんだから。
でも、もう限界。止められなかった。
「それに、偏差値50で入れる高校に行って学年トップをギリギリでとってるあんたと、まだ中学だけど、全国模試で4位とって、委員長も務めて、学年2位の私と!どっちが偉いか分かる??私に決まってるよね!」
「あぐり……。あんた何やってんの?」
背後から聞こえる声に、私は一瞬で我に返り、慌てて振り返った。
そこには、ドアを少しだけ開けて、こちらを覗いている母親がいた。
「お、お母さん……」
ヤバイ……。
兄貴と私だけならまだしも、この人に出てこられたら、私に勝ち目はない。
「あんた、お兄ちゃんになんて口きいてんの!謝りなさい」
嫌だ。だって、私は悪くない。私は……。
心の中で言い続ける私に、痺れを切らしたお母さんが私の後頭部をグイッと押した。
「ほら、謝んなさい!」
「……ごめんなさい」
ぼそっと言う私の声が聞こえたのか、母の力がなくなり、私は頭を上げた。
「とりあえず、あんたは今日、夕飯抜きよ」
知ってるし。
それに、こんな状態で食べてもおいしくないからいい。
私は早足で自分の部屋に戻り、ベッドにうつぶせに倒れた。
悔しくて、悔しくて、涙が出てくる。
「泣いちゃダメ……」
そうつぶやき、私は机に向かった。
予習でもしようとノートを開く。
大嫌いな母親と、兄の言うことに従っている自分に腹が立つ。
でも、それでしか自分の身を守れないんだ。


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