………意識が朦朧とする。
白い天井………
思わせ振りにゆっくりと瞼を開けたは良いが意識が覚醒するにつれ、段々今の状況を把握しだし、
そんなことをしている場合ではないと
気づかされる。
アラームをセットした筈なのだが機能していない。
恐る恐る時計を見る。
そこに刻まれていたのは絶望的な数字
であった。
* * *
「おはようございます」
「じゃ、ないだろう」
目の前には自分の直属の上司である竹本だ。
彼はとても穏和な性格をしており、誰からでも好印象を抱かれるような人物なのだが、
今日ばかりはスマイルもお休みである。
「お前なぁ、今何時か分かるか?」
「9時です。」
「来るのは何時だ?」
「7時です。」
「何で来なかったんだ?」
「アラームをセットしていたのですが、機能していませんでした。」
「…それでこの大遅刻か?」
「はい」
………それから俺はこっぴどく叱られ、仕事をこなし、いつも通り家に帰った。
「………はぁ………」
溜め息を漏らした。
空を仰ぎみる。 だが星はない。
この世界には2つの人種がいる。
一つは神と呼ばれる魔法の使い手。
もう一つは我々、一般人だ。
神は千人に一人の割合で生まれてくる。
遺伝子、血などは一切関係はなく、運でできるのだ。
そして神は上に送られる。
人間は地下にいる。
神は上にいき、太陽の光を浴びる。
この規則を作ったのは罪を背負った
本当の神である。
まぁ色々あってテヘペロじゃすまない事態になっちゃった訳で。
結果的に俺は会社を止めさせられた。
その理由は大きな失態。
竹田さんもカバってくれたが、ダメだった。
その失態とは神への手紙を無くしたことだ。
神へはこれからの世界のことや
新たな規則の申請などを手紙にして送る
量が多いので360部くらいにわかれているのだが、そのうちの一枚を俺はなくしてしまったのだ。
その日、俺はヤケになることもなく、絶望した訳でもなく、ただ冷静に事態を呑み込んでいた。
朝、起きる。
いつも通りではない。
時間は10を指していて、思わず慌てたが、現状に気付き、酷く虚しい感覚に襲われた。
昼。
何処か食べに行こうかと考えていたが
そんな気になれなかったので結局家で済ました。
昼寝しようとベッドに入る。
段々と意識が朦朧としてきた………
罪神[ざいしん]。
この世界が今このように在るのは罪神のせいだ。
何故このような上下関係が出来てしまったのか。
事の始まりは、一人の少女だった。
朝、起きる。
爆発音、そして閃光。
目をあけると
神がいた。