リンクワールド―二人の少女と交わる世界―

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1:みるく:2015/09/22(火) 09:50 ID:ZRo

第一話「運命の出会い」

ねぇ、初めて会ったキミは、

すごく切なくて、寂しそうで―。

2:みるく:2015/09/22(火) 10:09 ID:ZRo

「恵麻、ちょっと来て!」
放課後、鞄に荷物を詰めていた私に、友達の花織が声をかけてきた。
指さす方を見てみると、グラウンドでサッカーをしている男子たちの姿が。
そんな中で、私の目線は、ある一人の男子に集中していた。
彼は、大村春人。
私の……初恋の相手。
「……ねぇ、恵麻はさ、何で告らないの?」
「えっ?」
私が驚いたような声を上げると、花織は不思議そうな顔をしていた。
「好き」と言わない理由は、付き合ってもらう、もらわないに関わらず、告白したら何となく気まずい関係になりそうで怖いから。
「…怖いんだよ」
「何が?」
「春人君に告白したら、何か気まずくなっちゃいそうで……」
「……」
それを言った時の花織は、何か言いたげな顔をしていたけれど、何も言わずに口を閉じた。
「花織?」
「何でもない。帰ろっか」

3:みるく:2015/09/22(火) 10:35 ID:ZRo

商店街の前で花織と別れ、私は桜並木を一人で歩いていた。
ふわふわと、ツインテールの髪の毛が揺れる。
私の名前は斉藤恵麻。
紅葉学園高等部の2年生。
私はすごく引っ込み思案で思っていることを伝えられない。
でも、春人君の事はすごく大好き。
だから……いつか付き合えたらいいな……。
―ガサッ……ガサガサッ!
「えっ?」
何?この音……。
ふと、上を見ると桜の木が揺れていた。
「え!?」
―ガサッ!
「うわああぁぁ!」
「っ!?」
声を上げる間もなく、私は何かにぶつかった。
「痛い……」
上半身を起こすと、女の子が立ち膝で口元をぬぐっていた。
じっと見ていると、私に気が付いたのか、その女の子は私の方を見た。
「……あんた、斉藤恵麻?」
「え……?」
「斉藤恵麻なの?」
何、この子……。
何で私の名前知って……。
すると、私はあることに気が付いた。
ツインテールの髪型。
二重のまぶたに長めのまつ毛。
「私?」
そう、私そっくりな女の子がそこにはいたのだ。
しかも、私がそうつぶやくと、その女の子は嬉しそうな顔で私の手を握ってくるものだから、ますます意味が分からない。
「よかった!恵麻なのね?」
「そうだけど……」
「あっ、私は斉藤恵麻……っていうか、私もって言った方が正しいかな?」


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