最後に微笑む道化師

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1:ななた:2015/10/02(金) 18:09 ID:7pU


「助けて・・・お姉ちゃん!」

「・・・どーでも良いや、どーせ消えるんでしょ?」

「ずっと・・・笑顔でいる。それが仕事なの」

「あたしが守るから」

「悲しいこと、嬉しいことかぁ・・・どんな味するの?」


「私は道化師じゃない」

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こんにちは!初めまして、ななたと申します。
今日から小説を書こうと思っていますので宜しければ見てやってください。

複数人のストーリーを書いて最後には重なる・・・という少しシリアスで頭を使うような物語を書きます。
初心者ですがよろしくお願いします!


それではお楽しみください

2:ななた:2015/10/02(金) 18:46 ID:7pU

第一話 仲良し


「・・・ごめんね」
あぁ何度聞いただろう、何度見ただろう
私は目の前で泣く母親の姿を嫌気のさした目で見た
イライラする、だけどここで怒ってしまったら・・・
「大丈夫だよ?お兄ちゃんと頑張るけぇ心配せんで」

少しなまった口調で微笑みながらそう伝えた
我ながら演技力はあるほうだと思う

「そう・・・ありがとう」
お母さんはほっとしたのか泣き止み笑顔で優しく言った。

お母さんは立ち上がり、歩き出す。
遠くなる背中。

「待って・・・」
思わず言ったのだが何も返ってこない
脳裏に母親の笑顔が浮かぶ。


「待って!お母さ・・・!」

「おはよう」

夢?あぁ夢か
まだ眠たい目を擦ると目の前にいたお兄ちゃんの顔を見る
「おはよ」
そうだ、お母さんなんて居ない。

「また・・・母さんか?」
お兄ちゃんが心配そうに顔を見てくる。
「なんもないよっ!学校でしょ?用意しなきゃ」
笑顔で言った。

道月綾実、私の名前。道月陽、お兄ちゃん。
うん、家族はそれだけ。合ってるよね

こう確かめるのが私の毎日の習慣、お兄ちゃんからもらったお守りを握ってそう考えるのだ

「わぁ美味しそう」
リビングの机の上を見て思わず声を漏らした
アニメだったらキラキラ〜とSEが流れそうな目玉焼きがおかれていた
「昨日スーパーで高い卵が安売りしててさ・・・」
お兄ちゃんがそう話した、家事はお兄ちゃん任せである

「綾実〜」
外から私を呼ぶ声が聞こえた、恐らく・・・
「みや来たぞ」
やっぱり・・・みやというのは私の腐れ縁だ
本名は笹原都、一見女子っぽい名前だが顔はイケメン・・・だ?

「え〜早いよみや〜まだ食べてないのに〜」
窓を開けそう言うと
「良いから早く食えって、待たねぇぞ?」
意地悪な笑みを浮かべてそうせかしてくる
だから苦手なのだ、せっかち



「う〜目玉焼き〜」
あれから口にご飯と目玉焼きをかけこみ急いで支度したのだ
「また買ってきてやるから」
お兄ちゃんが慰めるようにそう言ってくれた
「やった!ありがとう!」
私はぱぁと明るい声を出し笑顔でそういった

「ほんと仲良しだよな」
みやがそうぽつりと呟いた。
「お姉さんと仲良しじゃん」
みやには姉がいる、すっごい美人
「仲良くねぇの!」
そう言い放つと私の頭をわしゃわしゃしてきた
「あ〜〜〜〜〜もう!」

まぁでもこれがいつもの日々。普通の平和な。

お兄ちゃん、みやと肩を並べて登校して。うん、幸せだ。

壊したくない、壊さない。この幸せを。


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