あまり上手くないかもしれません
誤字や話がぐちゃぐちゃになることがあるので注意して下さい!
それではどうぞ
ずっとずっと終わりの見えない暗く血濡れた道を歩いてきた。
いつからこの道を歩いて来たのか分からないし後ろを振り返ってもその答えは出てこない。
この道に誰かが歩いていることはない。
立ち止まっても自分の背中を押してくれる人はいない。
倒れてしまっても自分に向けてさしのべてくれる手もない。
どのくらい歩いただろう。
前も後ろも見えない血濡れた道でひとり思った。
...寂しい
そう思った瞬間、光がさしこんできた。
血に濡れた道が草花が生い茂る野原に変わった。
風が吹き、鳥や蝶が空を舞っていた。
世界が一瞬にして変わった。
眩しくて目を閉じていると後ろから声が聞こえた。
「もう君はひとりじゃないよ、僕らがいる。君が立ち止まったら僕らが背中を押してあげる。君が倒れたら僕らが手をさしのべてあげる。だからそんな寂しい所にいないで…。」
目を開けて振り返るとそこには…
無章 神と妖獣と人
ある世界に龍がいた。
何時、何処から来たのかは分からない。
確かなことはこの世界は龍によって創られた。
世界には4つの国があった。
東は花びらや葉が天空を舞う風の国。
西は高い山々から裁かれる雷の国。
北は湖や川に囲まれ冬には凍る水の国。
南は地中から絶えずマグマが吹き出てくる炎の国。
人や妖獣が共存しながら生きていた。
無章 神と妖獣と人 2 へ続く
無章 神と妖獣と人 2
龍たちも人や妖獣と共に生き世界は平和だった。
しかし徐々に世界は貧困や天災に見舞われていった。
その原因は5つ目の太陽の光さえ呑み込んでしまうほどの地中に埋もれた闇の国の妖獣や人の仕業だった。
その人達の目的はこの世界の支配と世界を創った龍の力だった。
そしてその闇の国の中には闇龍という死と闇を司る邪悪な龍もいた。
闇龍の他にも龍がいた。
風の国の風龍(ふうりゅう)、風と音を司る。
雷の国の雷龍(らいりゅう)、雷と力を司る。
水の国の水龍(すいりゅう)、水と幻を司る。
炎の国の炎龍(えんりゅう)、炎と土を司る。
6つ目の太陽や月の光で輝いている風、雷、水、炎の国がある真ん中にあり、闇の国と繋がっている谷の近くにある国。
光の国の光龍(こうりゅう)、光と生を司る。
そしてこの世界を創った龍。
神龍(しんりゅう)、創造と時を司る。
世界が貧困や天災に見舞われてから約10年後。
それぞれの国の龍や人、妖獣は自分の守りたいモノや場所の為に剣を取った。
闇の国と光、風、雷、水、炎の国と神龍との先の見えない長い戦いが幕を開けた。
無章 神と妖獣と人 3
その戦いは長く続いた。
闇の国の勢力は凄まじかった。
4つの国の龍が主に闇の国の妖獣や人と戦った。
そして光龍と闇龍の戦い。
2匹の龍の間には生と死、光と闇が渦巻いていた。
その戦いは100年にも渡って続いた。
そしてその長い時の戦いで世界を創った龍、神龍が薄暗い雲の間から光と共に降りてきた。
金色の鱗を身に纏った美しい龍だった。
そしてその龍は闇龍を眠らせて5つの宝玉に封じ、その宝玉を5匹の龍に渡すとこう言った、
『同族を殺すのは忍びないし世界を壊しているその龍が余りにも哀れだった。だから眠らせた。けれどこの眠りは永遠ではない。いつかこの龍が目を覚まし、また世界を壊すだろう。その時が来ないようこの宝玉にやつの力を封印していてほしい。』
そう言い終わると闇龍の骸を土に埋め、結界をはり空へ帰って行った。
戦いの後、龍たちは自分の国へ帰り神殿を建て宝玉の力を封印した。
そして自分の国の民と共に暮らしたと言われている。
第一章 始まりの二人
「…っと言うお話さ。」
「へー、でも闇龍の骸はどこに埋められたの?」
「それは龍しか知らないのさ。」
「ふーん。」
ガタン、ガタン
野原に草花が咲いている中、隣の街を目指す馬車が走っていた。
「おい、アトリそろそろ着くみたいだぜ。街に着いたらそこから徒歩だからな、準備しとけよ。」
燃える様な赤色の髪に強い意思を持った黄色の瞳をした青年が言った。
「わかったよタクト、準備しとく。」
「ねぇ、お兄さんたちは何処へ行くの?」
ガタン
どうやら街に着いたようだ。
アトリは荷物を持ち、立ち上がると
「何処までもさ。」
そう言い振り向いて笑った。
タンッ
馬車から降りて歩き出した
風になびく髪は白銀、蒼弓のような瞳。
彼は放浪の民のアトリ。
謎の多い民で世界に極僅かにしかいない民の一人。
そして世界と一匹の悲しい龍を救う人物。
そして隣に並んで歩いているのは炎の民のタクト。
力強く勇ましい民で炎の国に住んでいる。
アトリの隣で共に戦い世界を救う一人。
運命の歯車が今、動き始めた。