鬼の罪とその涙

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1:月夜:2016/05/19(木) 00:08 ID:0xU

ザアァァーー...。

冷たい雨が降っていた。

「ハァ…、ハァ…。」

どれくらい歩いたわからない。

パシャンッ。

ドサッ。

刀を握っている左手や木に預けている背中が存在しているのか分からないほど身体の感覚が無いように思えた。

「...…。」

ザアァァーー…。

しばらく木に背中を預けたまま空を見ていると段々、瞼が重くなっていった。
ガサッ…、ガサッ…。

完全に目を閉じる前に遠くで足音が聞こえた。

ガサッ、タッタッタッタ…。

そしてある程度まで自分に近づくと足音が早くなり同時に声が聞こえた。

「おいっ、大丈夫かっ!?しっかりしろ!おいっ!!」

閉じかけていた目を僅かに開いたが視界がボヤけてはっきりと顔が見えなかった。そして段々声も聞こえなくなってきたところで意識を手放した。

2:月夜:2016/05/19(木) 19:18 ID:0xU

ザアァァーー…。

雨が降っている中、俺は妹と青年と山道を歩いていた。
俺達は旅をしていた、あるもののために。

「兄さま、雨が強くなって来ていますし、今日はここらで雨宿りして行きましょう?」

「確かに…。あっ!ここに雨宿りぴったりの洞窟があるよ、中も大丈夫そうだしここにするかい?」

「あぁ、そうだな。」

パチッ、パチ。

火を焚いていると

「兄さま、食料が少し足りません。どうしましょう?」

と妹が聞いてきた

「ここ最近は暑さで食料が腐ったりしていたようだし…。」

どうする?っと目で問われたので

「俺が鳥とか捕ってくる。」

「わかりました、お願いします。ただ雨が強いですし気をつけて下さいね。」

「…あぁ。」

そう言って外に出た。

ザアァァーー…。

相変わらず雨は強く降っていた。

ケーン、ケーン。

何処からか鳥の鳴き声が聞こえた
鳴き声が聞こえた方に行って見ると湖の近くに鳥が一羽いた。

ヒュッー、バシッ、ケーン!。

足元にあった石を鳥にめがけて投げると見事に命中した。

血抜きをしおわり洞窟に帰っていると木の間から何かが見えた。

ガサッ、ガサッ。

近付いて行くと木の幹に背中を預けて倒れている人がいた。
いてもたってもいられず急いで駆け寄り

「おいっ、大丈夫かっ!?しっかりしろ!おいっ!!」

と声を掛けると閉じかけていた瞼が僅かに開いた。
しかしその目を見た瞬間、その者が人で無いことに気付いた。
血のような赤い瞳に白銀の髪そして漆黒の角。

思考が止まった。

しかし、その者が瞼を閉じたので思考が元に戻った。

(こいつは…。)

そこで思考を停止させその者を担ぐと洞窟を目指して歩き始めた。

3:月夜:2016/05/21(土) 19:06 ID:0xU

洞窟の入り口で物音がした。

「兄様?お帰りなさ…。」

「ん?戻って来たのか…。」

「ただいま。悪いけど、こいつのこと見てくれねえか?」

すると妹が

「兄様、その方は…。」

「分かってる…。出来るか?」

「…分かりました。」

「僕は夕食を作っておくよ。」

そういいそれぞれの作業に取り掛かった。

夕食が出来たとき奴が起きた。

「あっ、兄様。起きました!」

奴は無言で起き上がった

「ん?起きたのか。」

そう言うと奴は俺の方を向いた

「今から夕食なんだ、少し待ってろよ。」

「あの、どこも痛くありませんか?」

そう聞かれ奴は頷いた
そうすると

「出来たよ〜。はいっ、君の分!」

と椀を渡されるとゆっくりと受け取った。

「そんじゃ、食うか。いただきます。」

「「いただきます。」」

と3人は言い食べ始めた。

「………。」

けれど奴は手に椀を持ったまま動かなかった。

「食わないのか?」

そう聞くと奴は

「私が………くないのか…?」

「え?」

よく聞こえなかったすると奴はもう一度言った。

「そなたたちは私が怖くないのか?」


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